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中華さすらひ 154 - 神楽の町の風水炒飯 - 「龍朋」(新宿区矢来町)

2023-01-05 22:54:24 | 中華さすらい

「神楽坂カド」を出て、目指すはただ一つ。神楽坂の中華といったら、「龍朋」。異論を挟む余地はない。うちのかみさんですら行っているのだから。

「カド」から数分、「龍朋」に着いた瞬間、お客は並んでいなかったが、店内の様子を窺おうと、少し道をオーバーランして戻ると、2人の客に並ばれてしまった。やっぱ、舐めちゃいけない。

お店は大繁盛。さすが、神楽坂を代表する中華だ。

15分ほど待って店内へ。角のテーブル席に案内されたが、2つ隣の卓は若い男女が大盛り上がりで騒がしい。かと思えば、隣のテーブルは親子と思われる老人と息子がしんみりと食べている。

さて、まずは紹興酒からいきましょうか。

つまみは「メンマ」(300円)をチョイス。

その時、自分から「以上」とでも言えばよかったのだが、お店のお姉さんはまだ注文が続くとみて、少し待っていた。それともこういう頼み方はルール違反だったか。店の外には変わらず、客の列が連なっている。もしかしたら、飲み客は歓迎されないのかもと思った。だから、「紹興酒」が運ばれてきた時、「炒飯」(800円)をお願いした。すると、お姉さんは、「ちょっと時間をあけてお持ちしますか?」と聞いてきた。それを聞いて、あぁ飲み客にも優しいんだと思った。

2つ隣の騒がしいテーブルに遅れてきた女性が合流した。すると、その様子を見ていたお店の大女将は、毅然とした態度で、遅れての合流を断った。それはそうだよね。この寒い中、待っているお客さんがいるんだもの。その姿勢は素晴らしい。合流を企てた女性は店外に弾き出され、騒がしかった彼らは、「じゃぁ、次行くか」となった。店を出る際、男女は「町中華いいね」とか聞こえよがしに言ってたが、なんとなく嫌味な感じだった。言外に、「普段自分らはこういう店には来ないけど、たまにはいいよね」って言ってるみたいだった。

彼らは、「龍朋」を「町中華」と呼んだが、自分は、この店は「町中華」ではないと思った。ガチでもないが、その中間の中華というか。敢えて言えば、「中華ん」みたいな。

騒がしいのがいなくなり、ようやく町に平和が戻ってきた。

メンマも紹興酒も実にうまい。そうこうしていると、「炒飯」が運ばれてきた。ほほぅ。これが噂に名高い「炒飯」か。その噂とは東京1。自分は東京全ての炒飯を食べたことがないから、それを肯定できないし、否定だってできない。出来ることといえば、食べるだけ。

見た目は一般的な炒飯よりも茶色がかっている。特別な醤油の色か。それとも五香粉や八角の味つけのせいか。卵はと脂は少なめ。ごはんはぎっしり。そんな見た目だ。一方、炒飯のお供である中華スープも心無しか濁っている。不思議な色あいである。その「炒飯」もスープも味は独特だった。八角ではなかったが、重厚な香りづけが味の深層にあった。普段、化調に飼い慣らされている自分には、それがなんなのかはわからない。その味の根源を愉しむのが、この店の料理との向き合い方なのだろう。ただ、自分が未熟だから、それを愉しむところまで到達できないだけなのだ。

食べ終えた後に不思議な満足感があった。食で心身が充実するような多幸感。体内のエネルギーが満ちていくような何か。もしやこれが東京で一番という炒飯のゆえんなのか。もしや、通りからちょっと窪地になった場所は龍の通り道だったりして。風水最強のパワースポットとか? 「龍朋」を神楽の町の風水炒飯とでも呼ぼうか。

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