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「ヤミツキ」を出て、少し歩いた。川を渡ると、これまたものすごいディープな町が眼前にあった。
もうのっけからすごいのである。目の前に立ち飲み屋。歩道に出て飲んでいる人がいる。
「これは、大変なところに来てしまった」。
わたしはそう思った。
その立ち飲み屋が「安兵衛」といった。
浅草にあるろくでなしが集まる店と同じ名前である。ここにもろくでなしどもがいるのだろうか。
店に入るとすぐに食券機があった。食券機にわたしはまごつく。これはラーメン屋にも言えることなのだが、メニューを選ぶ時間がないのである。
食券機に金を投入する時間をなるべく稼ぎ、ボタンのスイッチに書かれているメニューを見たりするのだが、後ろに人が並ばれたりしたら、それも覚束なくなる。
食券制はあまり好きではない。
そう思いながら、食券機に金を入れる。
「生ビール」が300円。ふむふむ。
「ホッピー白」300円、ふむふむ。
「サワー各種」300円。ほぅ。
「おつまみ一品」300円。なに?
なんだ、全て300円の店か。
しかも「おつまみ1品」というボタンがあって、今ここで何を食べるか決めなくていい。これは助かった。
とりあえず、ホッピーの白と「おつまみ一品」の各ボタンを押した。
その食券を持って、厨房のカウンターにそれを出す。その際に、おつまみの種類を告げるシステムである。典型的な立ち食い蕎麦屋のそれだ。
そう、この店は、昼間は蕎麦屋、夜は立ち飲み屋に変わる、蕎麦系立ち飲みなのだ。
わたしは、つまみに「れんこん挟み揚げ」をチョイスした。
280円系の居酒屋でも同じことが言えるのだが、均一系の酒場では、手の込んだ肴を選ぶほうがいい。「枝豆」や「冷やしトマト」、「冷奴」を頼むと、確実に損をすることになる。
この「れんこん挟み揚げ」が大成功だった。
シャキシャキしてうまい。豚バラ肉のうまみがジューシーだ。
これが、またホッピーによく合う。
がぶがぶとホッピーを飲み、ナカをおかわりしようとして、わたしははめられた。なんと、ナカも300円だったのだ。
ちょっと待ってくれ。150円から200円程度で飲めるナカが300円とは。これはうっかりしていた。
「枝豆」や「冷やしトマト」の話しを自分で振っておきながら、自分がミイラ取りになるとは。
しかし。しかしだ。
この展開にまたまた大逆転の舞台が用意されていた。
なんと、このナカ、ジョッキの3分の2はあろうかという焼酎のボリューム。
罠だとばかり思っていたナカが、実は違う意味でトラップになっていた。
二重の罠。
ホッピーでナカ3杯いっただけで、クラクラする自分にとって、この強力なナカはこれだけで昇天してしまう。
仕方ない。ちょびちょび飲みながら、薄めていくことにしよう。
〆はかけそば。
280円。
そば・うどんは300円均一から外れるらしい。
これがおいしかった。
講演が終わっての懇親会で1杯、そしてワインバー「ヤミツキ」でワインを1杯、そしてこの日2軒目のホッピーでとどめ。
店を出ると、隣の店が立ち飲み屋であることに気が付いた。
やきとり「平助」。
でも、今夜はもうやめておこう。
横浜の立ち飲み、いいなぁ。
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