2013年の「立ち飲みの日」。
数年前から11月11日だけでなくウィークリーでの開催となり、しかもエリア毎に開催されることとなった。規模が大きくなるにつれ、少しずつ商業主義が顕著になっている点が気がかりである。
その証拠に、いつしか「立ち飲み」というコンセプトは二の次となり、立ち飲みではない店も多く含まれるようになってきた。その結果、自ら「立ち飲みの日」の権威を貶めてしまっている感がすごくするのである。
だから、この2013年から、わたしはチケットを買うのをやめた。普通に飲んで食べようと思ったのである。
「立ち飲みの日」参加店をウェブで検索すると、「東京立ち飲みバル」という聞きなれない店があることに気が付いた。
早速、行ってみて、ドアを開けてみると、ものの見事に椅子があった。わたしは断りを入れて店を去った。
近年、立ち飲みは拡大解釈がされるようになった。「立ち飲み」ニアリーイコール「ちょい飲み」みたいな。かつては、立ち飲みだったが、お客のニーズに応えて、椅子を置くようになった、いわゆる「ころび」ではなく、最初からいすありの立ち飲み標榜。そんな店が増えているのだ。
極めて、紛らわしく、迷惑千万なのである。
この「東京立ち飲みバル」という店が「ころび」なのか、確信犯なのかそれは分からないが、ともかくいすがあるのを立ち飲みと言ってはいけないのだ。これは声を大にして言いたいのである。
気を取り直して、再び店を検索した。すると、まだ知らぬ立ち飲み「La Moana 」という店を見つけた。地図を見ながら行ってみると、立ち飲み「駿」の二階にその店があった。だが、店には重厚なドアが立ちふさがる。これは入りにくい。一瞬、店を間違えたかと思った。このドアは間違いなく、スナックである。気軽な立ち飲み屋には見えない。それでも、勇気を振り絞って、ドアを開けると、そこは確かに立ち飲みだった。
スナックの居抜き。いかにもそんな雰囲気がありありだった。とにかく、店の間取りがおかしかった。厨房の周囲はカウンターなのだが、別の部屋があり、店内が一体化されていない。なんともまぁ、不思議な店内である。
わたしは、カウンターに陣取った。すでに多くの酔客で店は賑わっている。
店の壁にはサーフボードが飾られ、店主と思しき男はいかにもといったサーファーの雰囲気を醸していた。
なるほど、Moanaか。ハワイの言葉でいうところの海。
サーファーの店だったか。
生ビール。390円はスーパードライ。
なるほど、値段はそれほど高くない。重厚なドアだっただけに少しドキドキしてしまった。
酒肴はかわきものが200円から。メニューはそれほど多くはない。黒板に書かれたメニューには「本日のオススメ」と書いてあり、その日によって、メニューが変わるらしい。メニューは少ないが、それぞれけっこう凝ったものを出してくれるようだ。
例えば、「煮込みハンバーグ」450円。「味噌漬けこがしチーズ」。「アンチョビキャベツソテー」400円。
料理は完成されていないようにも見えるが、ただサーファー店主は料理への探求心が強いようだ。
試しに「味噌漬けこがしチーズ」をいただいた。
味噌漬けのチーズとやらが、なんかどんくさいイメージを与えるが、その懸念を見事に払しょくしてくれた。意外にもおいしいのである。それはある意味洗練されていると表現してもいい味だった。
なかなかやるな。このサーファー。
だが、店の雰囲気はやっぱりがちゃがちゃしている。カウンターの常連を相手に、店主は軽口を叩く。それは決して悪いことではないが、ほかの客は疎外感すら感じてしまう。
例えば、こんな感じだ。
「立ち飲みの日っていうのに、参加したんだけれど、ちょっと迷惑かな。常連さんを大事にしたいからね」。
わたしは、「立ち飲みの日」のユーザーではないが、それでも一見として、心にぐさりとくる。
だが、あるいはこれは店主の本音なのかもしれない。実は2014年の「立ち飲みの日」でも同じような意見を聞いた。その人物は「迷惑」とは言っていないが、あまりたくさん来られても困るという趣旨の言葉は言っていた。
その店主の一言で、なんか飲む気も失せた。
生ビール2杯と酒肴一品で1,000円ちょっと。
2012年の「立ち飲みの日」は5軒行ったけれど、今宵は何軒行けるかな。さて、次に行くとしよう。
しかし、わざわざ明らかに初めての師がいるとこで、聞こえるようにそんな話しなくてもねえ・・・。アホだなあ、そいつ。
と書いてる俺も、初めての人と中々打ち解けられないんで、十分以上に考えないといけないんだけどね。(苦笑)
一見さんには極めて手厳しい京都。
常連だけで十分ていうスタンスの居酒屋店主って、けっこう多いよ。
それより気になるのは、「立ち飲みの日」の商業主義っぷりかな。
幅広くやっているうちに廃れるような気がするんだよ。
京都でもバル巡りのイベントが開催されているみたいだね。
なお、常連だけでいいと思ってる居酒屋って、確かに多いと思うけど、あまりに過剰にそういう部分が出て、保守的になると、いずれ店の経営にマイナスとなって帰ってくると思うよ。
あと、飲食店のイベントって毎年やってると好評なら巨大化するし、そしてマンネリ化もしてくるだろうね。で、巨大化してきたら更に商売に繫げるかって事で、商業主義ビンビンになるんじゃないだろうか。
で、何年か後に飽きられて衰退していくと・・・。(笑)
まあ、しょうがないんじゃないかなあ。元々商売狙いのイベントだしねえ。
そういうと京都も、バルだか居酒屋だかのそういうイベントあるみたいだねえ。うちの親父が行ってた。
それにしても人が増えてもないのに、飲食店ばっかりアホみたいに増えてる気がすんだけど、仕事が無いから皆お手軽に飲食狙いなのかなあ。で、しんどくなるとイベント・・・。(苦笑)
でも、結局イベントで一時しのぎしても、もたないんだよなあ。って、「常連さんが大切。」ていう結論に戻って来ちゃったよ。(苦笑)
いやな店だったら、行かなければいい。それだけなんだよね。
イベントは、目的が全て。
普及なのか。街起こしか。それともビジネスか。
目的がぼやけてしまったら、そのイベントは、もうそこまでなのかな。
「立ち飲みの日」も節操なくて、座りの店も入り乱れてきてから、急におもしろくなくなったよ。
京都のバルめぐりは楽しそうなイベントだね。