目黒で立ち飲み屋を探す。
「Bistro Shin」と「Bistro Shin 2」以外の立ち飲み。
目黒通りの坂を下ってみた。なんとなく、この目黒通り沿いに立ち飲みがまだありそうな雰囲気なのである。
目黒川まで行ってみたが、立ち飲み屋らしき影はない。この先はもう目黒エリアの管轄外だと思い、踵を返そうとすると、マンションの1階が飲食店街となっている。近寄ってみると、かなり古い建物であることが分かった。
中に入ってみると、闇市臭い、戦後のそれのような飲食店街があった。
中には「立ち飲み」と書かれた店もあるが、中を覗いても店は営業している気配がない。一通り、飲食店街を回ってみた。共同トイレがあり、ボクはそこで用を足した。
目黒駅の西側にはもう立ち飲み屋はなさそうだった。
あと、攻めるとすれば駅の東側である。目黒通りをそのまま駅を超えて歩く。東側は言うなれば山の手だ。酒場の店舗は激減する。恐らく地価が高いのだろう。
このまま歩くと、首都高にぶつかり、その向こうは白金台になる。目黒エリアはそれほど広くない。そう思いながら歩くと、1軒のワインバーを見つけた。
中を覗くと、なんとそこは立ち飲みだった。
店頭のギネスの看板に17時から19時がハッピーアワーであることを告げている。これはいい。
店に入って、すぐさまお店のお兄さんに「ギネスください」というと、ギネスはないという。店頭の立て看板は確かにギネスだったのだが、いきなり出鼻をくじかれた。
仕方ない。ワインにするか。
ワインのことはよく分からない。店主と思しき男性におすすめの白ワインをきくと、少し考えるそぶりをしてボトルを出してきた(銘柄は失念)。
しかし、立ち飲みラリー山手線編は品川を過ぎてガラリと様相が変わった。
大崎、目黒と高級住宅地に差し掛かり、立ち飲み屋はビストロ、スタンディングバーへと変わった。目黒の次の駅は恵比寿である。恵比寿の立ち飲み屋はすでに何軒か行ったことがあるが、ビストロ、ワインバー、そしてバルがほとんどである。ボクには戸惑いがあった。やっぱり、どうしても肩肘張って気楽ではないのだ。
つまみに「ポテサラ」(450円)をオーダーした。
かっこいい器に盛られた「ポテサラ」はもちろん手作りだ。だが、大衆の立ち飲みにあるきゅうりと人参とじゃがいもをマヨネーズで和えたそれではなく、それらの野菜をもっと細かくして、完全なグルテン状のものとして供された。だが、決してまずいわけではない。繊維質の食感が手作りであることを物語る。
うまいじゃん。
書籍「ポテサラ酒場」によると、。「ポテサラがおしい店は、何食べてもウマイ」という言葉を思いだした。
案外、この店当たりかもと思ったのもつかの間だった。
その後、店主に勧められるままに、600円のグラスワインと500円の「鶏レバームース」を相次いでオーダーした。そのムースをバゲットにつけていただく。上品な味で確かにおいしい。なかなか食べられないものをいただいているという満足感もある。
だが、何か物足りない。値段を上回る満足感がないというべきか。目黒の立ち飲みということで、「Bistoro Shin」と「Bistro Shin 2」の両店とは、やはり比較せざるを得ない。ある程度金額が張っても、真においしいフードが出てくると、満足度は高い。「Shin」の料理は圧倒的だった。ポーションにサプライズ。そして食べてまたびっくり。しかも外れなし。そのサプライズが料理の値段を凌駕する。
それに引き換え、この店のワイン3杯、「ポテサラ」、「鶏レバームース」、他一品で、会計2,850円はおおいに不服だった。2軒目の酒場という位置付けでもなさそうだ。
ワインのスタンディングバーを見ると、どうしてもボクは構えてしまう。
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