研究会の時間が迫っていた。早いうちにご飯を食べてしまわなければと思い、熊本市内を右往左往。なかなか、これといった店が見つからず、次第に焦りはじめていたところ、一軒のレトロな喫茶店を見つけた。
「喫茶 ミミ」。
緑色のテントに壁面には「喫茶 ミミ」という小さな看板が掲げられている。かなり、雰囲気のある喫茶店である。いや、外観よりも「ミミ」という語感に、郷愁を感じた。「ミミ萩原」に象徴されるように、「ミミ」は、可愛さの古くさい語感の代表格である。
店内に入ると、これまた不思議な形状をしたカウンターに度肝を抜かれた。真っ直ぐではなく、蛇行しているのである。蛇行といえば、Rがついている印象を受けるが、そのカウンターは、ギザギザしていた。もちろん、そんなカウンターを見たのは初めてである。
ボクはそのカウンターの奥に陣取った。そのうえで、一人で切り盛りするママにランチを注文した。「炒飯」とコーヒーのセットである。
このママが、ミミさんなのか。小柄のお母さんである。ボクが座っている位置から、見えないところで調理をしている。
そうして出てきたのが、たくあんのついた「炒飯」。
だが、中華顔負けのうまさだった。腹が減っていたのと、時間がなかったために、急いで食べてしまった。
食後のコーヒーが、また良かった。モダンなカップで出てきたコーヒーは、やや酸味があったが、すっきりしていた。
「炒飯」の脂がすっかり洗われて、口の中の気持ち悪さがなくなった。多分、本来のコーヒーって、そういうものだと思う。
さて、研究会に行かねば。
ボクは、お代を払って店を出た。レトロな喫茶店をすっかり堪能することができた。
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