![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/67/d044fc23332dbde46112339f86bb8b55.jpg)
だが、今年は違う。
会社から、銀座線に乗り、銀座で日比谷線に乗り換えて、降りた駅はなんと六本木。
5番出口で地上に出ると、既にそこにH氏は待っていた。
時刻は6時。
そう、「エビ5時」の時代は過ぎ去り、今年は「六6」なのだ。
向かった店は、「湛山」。
H氏のリクエストによって、1週間前にわたしが電話で予約したのだった。
H氏曰く「和のステーキ屋さん」という触れ込み。
しかし、場所は六本木。わたしと社長は少し緊張しながら、現地へ向かったのである。
瓶ビールを片手に大衆居酒屋が板についた社長と立ち飲み屋を求めて右往左往するわたしに、六本木は似合わない。
六本木の交差点の坂を下る。
つまり、外苑東通りを南東に。
ものの1~2分でくだんの店に着く。
一階はampm。エレベーターに乗って3階へ。
すると、フロアーはいきなりセレブな空間に様変わりするのである。
お洒落なインテリアが所狭しと並べられ、細い廊下を案内される。
BGMはピアノジャズ。
薄暗がりの廊下を10mほど行くと、少し広い空間に出た。
大きな鉄板焼きが待ち構えるダイニング風のカウンターだ。
お客は誰もいない。
天井に着くのではないというコック帽を被ったシェフが「ようこそいらっしゃいませ」などと言うのを合図にして、待ち構えた和服の女性店員が一斉に動き出し、我々に席を薦めてくれる。
一瞬、社長の顔を窺った。
やはり、というべきか、社長の顔はかなり強張っていた。
厚手のメニューカードが社長に手渡される。
その手もやや震えているようだ。
社長は、少しかすれた声で、「これ」と指差し、オーダーした。
1万円のコースの欄がチラリと見えた。
飲み物は生ビールをとった。
ジョッキではなく、ややおおぶりのグラスに。
やはり、社長はそんなお洒落なグラスではなく、ビール会社から支給される安いコップこそよく似合う。そしてオレもまた然りだ。
「刺身の3点盛り」を皮切りに「本日のサラダ」、そして「旬のスープ」、更には「ゆば」と次々に料理が続く。
いずれも、高価そうな器に盛られ、気品漂う。しかし、ワーキングプア熊猫はそれらが、どんな食べ物なのか、ほとんど知り得なかった(最近、東京ミッドタウンに行ってみたが、びっくり。あんな豪壮な建物がミッドタウンというなら、やっぱり確実に格差は広がっているのだ)。
極めつけはフォワグラ。
わたしはそれがてっきりメインディッシュだとばかり。「ちょっと変わったステーキだな」とぺロリと平らげた後に、またステーキが。
聞けば、後に出てきたのはテンダーロインだという。じゃあ、その前のは?
そこで、初めてそれがフォワグラっだったことに気づく。しかし、それほど立派なフォワグラだったのだ。
テンダーローインステーキは柔らかかった。
ジューシーで肉汁が舌に口腔に染み渡っていった。
うまいなぁ。としみじみ口にすると、社長も「うまいね」と呟いていた。
社長はビールから日本酒にスイッチ。残念ながら何の銘柄を頼んだかは失念。
一方の熊猫は焼酎をオーダー。さつま司(薩摩司酒造㈱)の黒麹、もちろんロックだ。
ステーキでもうお腹いっぱいと思いきや。食べ物はまだまだ続く。
鉄板にご飯が乗せられ、やがてジュージューと音をたてて焼かれる。
にんにくの香りが漂ってきた。
〆はどうやらガーリックライスだ。
こりゃ、すげぇ。
もう、スーツのズボンがはちきれそう。
すると、同店の店長がわたしに近寄ってきた。
「お久しぶりです」などと挨拶する。
はて?どこでお会いしたか?
一向に思い出せない。
H本店長によると5~6年前に恵比寿のスナックで会ったとか。
しっかし、わたしは全然記憶にないのである。
湛山を出て、我々はタクシーに乗り、一路その恵比寿へと向かった。
行く先はH氏行きつけのスナック。gRay(グレイ)。
社長はすでにおねむモードだった。
社長は11時に帰宅。
わたしは、その30分後に店を後にした。
そうそう、そこでも不思議な再会を果たした。
なんか、見覚えある店のおねえちゃんがいるなと思ったら、その人もわたしを覚えていた。
スナックイレブンで働いていたあの娘だった。
5年という月日は彼女を2児の母にさせていた。
「あの頃、あなたは髪を後ろで束ねていましたね」。
あぁ、しっかりとわたしを覚えていてくれたみたいだ。
男性はすぐ忘れて女性は覚えている。
人生なんてそんなもんだろ。
さて、果たして来年も「六本木で6時」が執り行われるのだろうか。
それとも…。
会社から、銀座線に乗り、銀座で日比谷線に乗り換えて、降りた駅はなんと六本木。
5番出口で地上に出ると、既にそこにH氏は待っていた。
時刻は6時。
そう、「エビ5時」の時代は過ぎ去り、今年は「六6」なのだ。
向かった店は、「湛山」。
H氏のリクエストによって、1週間前にわたしが電話で予約したのだった。
H氏曰く「和のステーキ屋さん」という触れ込み。
しかし、場所は六本木。わたしと社長は少し緊張しながら、現地へ向かったのである。
瓶ビールを片手に大衆居酒屋が板についた社長と立ち飲み屋を求めて右往左往するわたしに、六本木は似合わない。
六本木の交差点の坂を下る。
つまり、外苑東通りを南東に。
ものの1~2分でくだんの店に着く。
一階はampm。エレベーターに乗って3階へ。
すると、フロアーはいきなりセレブな空間に様変わりするのである。
お洒落なインテリアが所狭しと並べられ、細い廊下を案内される。
BGMはピアノジャズ。
薄暗がりの廊下を10mほど行くと、少し広い空間に出た。
大きな鉄板焼きが待ち構えるダイニング風のカウンターだ。
お客は誰もいない。
天井に着くのではないというコック帽を被ったシェフが「ようこそいらっしゃいませ」などと言うのを合図にして、待ち構えた和服の女性店員が一斉に動き出し、我々に席を薦めてくれる。
一瞬、社長の顔を窺った。
やはり、というべきか、社長の顔はかなり強張っていた。
厚手のメニューカードが社長に手渡される。
その手もやや震えているようだ。
社長は、少しかすれた声で、「これ」と指差し、オーダーした。
1万円のコースの欄がチラリと見えた。
飲み物は生ビールをとった。
ジョッキではなく、ややおおぶりのグラスに。
やはり、社長はそんなお洒落なグラスではなく、ビール会社から支給される安いコップこそよく似合う。そしてオレもまた然りだ。
「刺身の3点盛り」を皮切りに「本日のサラダ」、そして「旬のスープ」、更には「ゆば」と次々に料理が続く。
いずれも、高価そうな器に盛られ、気品漂う。しかし、ワーキングプア熊猫はそれらが、どんな食べ物なのか、ほとんど知り得なかった(最近、東京ミッドタウンに行ってみたが、びっくり。あんな豪壮な建物がミッドタウンというなら、やっぱり確実に格差は広がっているのだ)。
極めつけはフォワグラ。
わたしはそれがてっきりメインディッシュだとばかり。「ちょっと変わったステーキだな」とぺロリと平らげた後に、またステーキが。
聞けば、後に出てきたのはテンダーロインだという。じゃあ、その前のは?
そこで、初めてそれがフォワグラっだったことに気づく。しかし、それほど立派なフォワグラだったのだ。
テンダーローインステーキは柔らかかった。
ジューシーで肉汁が舌に口腔に染み渡っていった。
うまいなぁ。としみじみ口にすると、社長も「うまいね」と呟いていた。
社長はビールから日本酒にスイッチ。残念ながら何の銘柄を頼んだかは失念。
一方の熊猫は焼酎をオーダー。さつま司(薩摩司酒造㈱)の黒麹、もちろんロックだ。
ステーキでもうお腹いっぱいと思いきや。食べ物はまだまだ続く。
鉄板にご飯が乗せられ、やがてジュージューと音をたてて焼かれる。
にんにくの香りが漂ってきた。
〆はどうやらガーリックライスだ。
こりゃ、すげぇ。
もう、スーツのズボンがはちきれそう。
すると、同店の店長がわたしに近寄ってきた。
「お久しぶりです」などと挨拶する。
はて?どこでお会いしたか?
一向に思い出せない。
H本店長によると5~6年前に恵比寿のスナックで会ったとか。
しっかし、わたしは全然記憶にないのである。
湛山を出て、我々はタクシーに乗り、一路その恵比寿へと向かった。
行く先はH氏行きつけのスナック。gRay(グレイ)。
社長はすでにおねむモードだった。
社長は11時に帰宅。
わたしは、その30分後に店を後にした。
そうそう、そこでも不思議な再会を果たした。
なんか、見覚えある店のおねえちゃんがいるなと思ったら、その人もわたしを覚えていた。
スナックイレブンで働いていたあの娘だった。
5年という月日は彼女を2児の母にさせていた。
「あの頃、あなたは髪を後ろで束ねていましたね」。
あぁ、しっかりとわたしを覚えていてくれたみたいだ。
男性はすぐ忘れて女性は覚えている。
人生なんてそんなもんだろ。
さて、果たして来年も「六本木で6時」が執り行われるのだろうか。
それとも…。
師よ、ちょっと涙を誘ったよ。(笑)
で、フォアグラってどんな食い物ですか???
それにしても大都会東京で久しぶりの人とばったり会うとかって驚きだよね。
しかし、たまにそんなびっくりする超偶然が実際にあったりするんだから人生面白いよね。
世の中、さまざまな出会いがあるんだろうけど、その大半は通りすぎて忘れ去られていくだけなんだろうな。
何か縁があるに違いない!って思っちゃいませんか?!
それにしてもセレブ六本木の世界にはあまり行かないですね~。
せいぜい「ぎろっぽ~ん!」とおのぼりさん状態でいるのがお似合いな自分です(笑)。
しかし、スナックの女の子に縁はあまり感じられないな~。
店長に「お久しぶりです」と言われたらまったく知らなくても、「ああ、いつも通り美味かったよ。また来るから」とかなんとか言えばカッコイイのに~(笑)。
でも、今まで食べてたのは何?っていうくらい今回のは別もんだった。
やっぱり、お金出せばうまいモン食べられるんだな、としみじみ思った次第です。
>店長に「お久しぶりです」と言われたらまったく知らなくても、「ああ、いつも通り美味かったよ。また来るから」とかなんとか言えばカッコイイのに~(笑)。
いや、今回の店はH氏からのリクエスト。
そこで、わたしに知り合いが居たっていうことになると、社長は「H氏と結託してここに連れてきたんだナ」と思ってしまうでしょう。
だから、思うがままに否定したというワケ。
社長はわたしに「前にも来たことあるんじゃないの?」と聞いていたし…。