広告の色校正のために訪れた㈱Bザイのビルを出ると雨がポツリポツリと降っていた。
確かにこの日の天気予報は夕方から雨となっていたが、会社を出たときは「まだもつな」と思って傘を持って出なかったのだ。
遠くでは雷も鳴っている。
時計を見ると5時を少し回ったところ。
さて、雨宿りでもしていこうかな、と思案してみて思い出した。
200mくらい先に立ち飲み屋があったことを。
ここは港区芝。
ちょうど、JR田町と浜松町駅の中間地点だ。
わたしは、Bザイビルを出て東の方角に向かい、つまり第一京浜側に歩いて、その店に向かったのである。
暖かい空気と寒気がぶつかって大気の状態が不安定。まさに典型的な春の予兆だ。歩いていると乾いたアスファルトに雨が落ちたせいですこしムワっとした空気が鼻につく。雷はまだ遠くに聞こえているが、やがてこちらにまで来るだろう。少しずつ、轟音が近づいているようだ。
ほどなくして、くだんの店に到着する。
案の定、お客は誰もいない。
店の構えはまさに個人商店といった趣。
会社に電話をして直帰する旨を伝える。
これで晴れて自由の身。「えいやっ」と気合を入れて店に入る。
中はこじんまり。テーブルが4つほど。
そのテーブルにはやや時代がかったテーブルクロスがかけられている。
店は蛍光灯の明かりで極めて明るい。
まさに手作りのお店だ。
それは、まるで学級会の装飾のよう。小学校のクリスマス会を彷彿とさせる。
神経質そうな店主に生ビール(300円)を頼んだ。
一口目を口に含むと、広がる米の香りと味。これは多分サッポロだな。
つまみには「野菜の煮物」(200円)を頼んだ。
店主がポジションを取るカウンターにカセットコンロを使ってグツグツと煮ていた鍋からいい香りが漂ってきたからだ。
しかし、この「野菜の煮物」の素朴なことっていったら!
ロールキャベツの肉なし、を想像していただいたら分かりやすい。
しかし、ロールキャベツの肉なしって…。
ただのキャベツ煮じゃん!
ブイヨンのスープだしがけっこうきいて味そのものは悪くなかった
しかしこの店、立地はいいとは言えない。
先述したが、場所はJR田町と浜松町駅のちょうど中間。
もっとも近い駅は都営三田線の芝公園駅だ。
前回の当欄で紹介した「立呑処 やまとや」(居酒屋放浪記NO.0119)は立地でカバーできた。
だが、ここはそうはいかない。
一体、誰がこの店に立ち寄って杯を酌み交わすか想像できないのだ。
一応、店の並びには「ほかほか亭」、インド料理「サリー」、「福町食堂」、コンビニの「サンクス」。店の裏手には立ち食い蕎麦屋の「ゆで太郎」などが軒を連ねる。
これだけ、店があるっていうことは、それなりの需要がこの地にあるということだ。
しかし、一体誰が?
芝商店会界隈に住む人々が、この店にふらりと立ち寄るのか。
さて、ビールを飲み干し、次は焼酎に手を染めてみる。
よく、分からない銘柄ばかりなので、ここは店主にお勧めを聞いてみた。
「芋焼酎でお勧めは?」
店主は「う~ん」と唸りながら約3秒。
「鳴門金時」(桜うずまき酒造)を取り出してきた。
これが、ロックで350円。
一口目を飲んでみてその意外な口当たりに驚いた。
ツーンと口いっぱいに広がるアルコール臭。
「あれ?」
本当に芋焼酎なのか?まるで、安い麦焼酎を飲んでいるみたい。
しかし、これがお勧めとは。うむむ、ちょっと厳しい。
もう少し長居して、お金を落として行こうか考えたが、まるで醸造酒のような芋焼酎に辟易して店を出た。
ちょうど、雨もあがって駅まで辿りつけそうだ。
結局、わたしが店にいる約20分。お客は誰一人訪れなかった。その代わり、店番するパートのようなおばちゃんが来て店主と一緒に店番を始めた。
やはり、この後大勢のお客でごった返すのだろうか?
しかしこの雨、何だか狐につままれたみたい。
確かにこの日の天気予報は夕方から雨となっていたが、会社を出たときは「まだもつな」と思って傘を持って出なかったのだ。
遠くでは雷も鳴っている。
時計を見ると5時を少し回ったところ。
さて、雨宿りでもしていこうかな、と思案してみて思い出した。
200mくらい先に立ち飲み屋があったことを。
ここは港区芝。
ちょうど、JR田町と浜松町駅の中間地点だ。
わたしは、Bザイビルを出て東の方角に向かい、つまり第一京浜側に歩いて、その店に向かったのである。
暖かい空気と寒気がぶつかって大気の状態が不安定。まさに典型的な春の予兆だ。歩いていると乾いたアスファルトに雨が落ちたせいですこしムワっとした空気が鼻につく。雷はまだ遠くに聞こえているが、やがてこちらにまで来るだろう。少しずつ、轟音が近づいているようだ。
ほどなくして、くだんの店に到着する。
案の定、お客は誰もいない。
店の構えはまさに個人商店といった趣。
会社に電話をして直帰する旨を伝える。
これで晴れて自由の身。「えいやっ」と気合を入れて店に入る。
中はこじんまり。テーブルが4つほど。
そのテーブルにはやや時代がかったテーブルクロスがかけられている。
店は蛍光灯の明かりで極めて明るい。
まさに手作りのお店だ。
それは、まるで学級会の装飾のよう。小学校のクリスマス会を彷彿とさせる。
神経質そうな店主に生ビール(300円)を頼んだ。
一口目を口に含むと、広がる米の香りと味。これは多分サッポロだな。
つまみには「野菜の煮物」(200円)を頼んだ。
店主がポジションを取るカウンターにカセットコンロを使ってグツグツと煮ていた鍋からいい香りが漂ってきたからだ。
しかし、この「野菜の煮物」の素朴なことっていったら!
ロールキャベツの肉なし、を想像していただいたら分かりやすい。
しかし、ロールキャベツの肉なしって…。
ただのキャベツ煮じゃん!
ブイヨンのスープだしがけっこうきいて味そのものは悪くなかった
しかしこの店、立地はいいとは言えない。
先述したが、場所はJR田町と浜松町駅のちょうど中間。
もっとも近い駅は都営三田線の芝公園駅だ。
前回の当欄で紹介した「立呑処 やまとや」(居酒屋放浪記NO.0119)は立地でカバーできた。
だが、ここはそうはいかない。
一体、誰がこの店に立ち寄って杯を酌み交わすか想像できないのだ。
一応、店の並びには「ほかほか亭」、インド料理「サリー」、「福町食堂」、コンビニの「サンクス」。店の裏手には立ち食い蕎麦屋の「ゆで太郎」などが軒を連ねる。
これだけ、店があるっていうことは、それなりの需要がこの地にあるということだ。
しかし、一体誰が?
芝商店会界隈に住む人々が、この店にふらりと立ち寄るのか。
さて、ビールを飲み干し、次は焼酎に手を染めてみる。
よく、分からない銘柄ばかりなので、ここは店主にお勧めを聞いてみた。
「芋焼酎でお勧めは?」
店主は「う~ん」と唸りながら約3秒。
「鳴門金時」(桜うずまき酒造)を取り出してきた。
これが、ロックで350円。
一口目を飲んでみてその意外な口当たりに驚いた。
ツーンと口いっぱいに広がるアルコール臭。
「あれ?」
本当に芋焼酎なのか?まるで、安い麦焼酎を飲んでいるみたい。
しかし、これがお勧めとは。うむむ、ちょっと厳しい。
もう少し長居して、お金を落として行こうか考えたが、まるで醸造酒のような芋焼酎に辟易して店を出た。
ちょうど、雨もあがって駅まで辿りつけそうだ。
結局、わたしが店にいる約20分。お客は誰一人訪れなかった。その代わり、店番するパートのようなおばちゃんが来て店主と一緒に店番を始めた。
やはり、この後大勢のお客でごった返すのだろうか?
しかしこの雨、何だか狐につままれたみたい。
オススメください、ってお願いして
最初に出てくる一杯って何気に肝心ですよね。
それが判断基準になっちゃうというか。
居酒屋だったら料理もあるし、すぐに出ちゃうわけにはいかないですが、
立ち飲み屋さんは、次の一杯を飲むかどうか、悩んじゃいそうです。
色校に反応するとは、しかし!
お勧めをお願いする側も、自分の好みをしっかり伝えることが大事ですよね。
いきなり、言われてたら確かに困る!
しかし、「鳴門金時」はマズかったぁ(問題発言)。
居酒屋で飲んだ焼酎は後日、通販とかで購入して家で飲んでいるんだけれど、この焼酎はパスかも。
そうこうするうちに次の飲みになったりしてね。
確かにお薦めを聞かれると嫌がるお店って結構あるね。
「ウチは全てがお薦めだよ」ってね。でも客としては「お客さん、ぜひこれ食べてってよ」っていうの聞きたいんだよね。
それはいい。
「全てがお勧め」。
それって、余り研究熱心なお店じゃないってことを自ら曝け出しているようなもんだね。
まぁ、お店の人と好みが合わなければ、結局マッチングしなかったってことかな。