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居酒屋さすらい 0729 - NY、パリ、そして東京 - 「ITALIAN BAR&GRILL VENTO」(港区高輪)

2014-03-14 14:30:36 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

秋の風が少し冷たく感じ、ボクらはお店の中でピザをつまみながら、ビールを飲んだ。

いつもは店のテラスに座り、NYやパリを思わせる、石畳の小路を行き交う人並みを見ながら、ハートランドを飲んでいたが、原宿の喧騒を歩き、すっかり体が冷えてしまったせいもあって、この店にたどり着いたときは、迷わず店のテーブルについたのだった

緩い勾配のついた小路。時には「SEX and the CITY」のNYのような憂いと華やかさを、時にはボブ・ディラン「The Freewheelin' 」のジャケットのように。

その時々によって、小路の映り方は変わる。

 

そして、また季節は移ろう。

槙原敬之の歌のように。ビールを飲む横顔を見ていると、また季節が巡ってきたんだと、実感した。

 

だが、定員が、お勧めの料理を営業しにテーブルに来た。5分間もの長い時間、営業トークを聞いているとせっかくNYに飛んだ心があっと言う間に東京に戻された。

 

ここで、何度ビールを飲んだだろうか。

ボクらの時間。ここでたくさんの話しをお互いにした。

現実ではない、非現実の世界への境界線。それは、NYでもなく、パリでもなく、そして東京でもない。

ボクは透明人間のようだった。このテラスで見る人の流れをボクはゆっくり目で追った。

タバスコをたくさんかけたピザを口にしながら。

 

今日は歩き疲れたのか。

たった1杯のハートランドがきいてきたみたい。

そのとき、ボクは何故だかこう思った。

多分、この店には、もう2度とくることはないかもしれないと。

そう考えたのは何故だろう。

ボクは、石畳を歩く人に。

次からなるのだろうと、思ったのだ。

 

 

 

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