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居酒屋さすらい 0438 - 凄まじき郷土料理の数々 - 「沖縄郷土料理専門店 めんそーれ」(那覇市久米)

2011-05-16 14:09:11 | 居酒屋さすらい ◆地方版
その日は朝から、雨が降ったり止んだりしていた。時折、強くなったりしながら、わたしたち家族は那覇空港へと向かった。
予報では、この日台風が那覇を直撃するという。雨は降ったり止んだりを繰り返し、沖縄の空は風雲急を告げていた。
帰りの羽田行きは11時の離陸。台風は日中に直撃するという。
飛び立ってしまえば、あとは台風から逃げるだけなので、なんとかなるだろうと考えていた。だが、その考えは甘かった。
空港に着いてみると、我々の乗る予定だった便は欠航が決まっていた。

そこからが、大変だった。
熱のある子どもらを待合室に座らせ、キャンセル待ちの列に延々と並んだ。結局、空港で10時間を過ごし、帰りの飛行機の順番を待ったが、その日飛行機が飛ぶことはなかった。
わたしたちは、那覇市内にホテルをとり、暴風吹き荒れる中、タクシーを飛ばして、その宿へと向かったのだった。

子どもたちにご飯を食べさせ、お風呂に入れて、ようやく長い長い1日を終えたのは22時を過ぎた頃だった。子どもたちと寝入った妻を見届け、わたしは一人、台風の吹き荒れる街に繰り出した。

居酒屋へ行かなければ気が済まない。けれども、こんな日に居酒屋が開いているのかも分からない。だが、台風で家に帰れなくなり、こんな日は、もう酒を飲まなくちゃ、どうしてもいられない。

そこで、暴風雨の中、傘をさして、出かけてみた。傘が飛ばされそうになりながら、出てみると、幸いなことに居酒屋はすぐに見つかった。こんな台風でも店を開けているとは、なんと凄まじいことか。
「沖縄郷土料理 めんそ~れ」と書かれた黄色い看板が横殴りの雨にたたきつけられている。

ドアを開けてみると、もっと意外だったのは。
店内は極めて平穏であり、且つ1組の客がいたことであった。
カウンターについて、メニューを繰った。
ビールに地ビールが置いてある。
「ニヘデビール」という名前のビールで「ソフト」と「ハード」という二種類がラインナップされている。何が「ソフト」か「ハード」かお店の気さくそうなおじちゃんに聞いてみた。要するにキレがあるのが「ソフト」、主に魚料理に合うという、一方の「ハード」はコクがあって、「肉料理」にマッチすると教えてくれた。

わたしは、「ソフト」をチョイスした。
カウンターの前には水槽があって、見慣れない海老が泳いでいる。
セミエビ、というらしい。ちょっと太った不恰好なエビだ。
さて、つまみを何にするか。メニューを繰ってみると、そこには驚愕の料理が記載されていた。

「セミ海老の活け作り」が100g、2,000円。「サメ刺し」「アヒルのソテー」(1,500円)「ヤシガニ」が100g、1,000円、そして「ダチョウのカルパッチョ」(2,000円)というものまである。
それぞれ、ジャストな金額が気にならないこともないが、とにかくこのメニューは凄い。しかしながら、本当にこれが沖縄の郷土料理なのか。

財布の中を調べたら、そんなにお金を持っていないことに気がついた。カードも使えそうだが、妻と子に黙って外出をして、高価なものを食べるのも気がひけた。
「セミ海老」というのがとても気になったし、ここで食べなければ、もう食べるチャンスはないかもしれない。
だが、わたしには食べる度胸がなかった。

そこで、頼んだのが「島らっきょう」(500円)。
それでも、わたしなりには500円でも散財気分だ。普段、立ち飲みで100円台のつまみに一喜一憂する悲しき性である。

「島らっきょう」は沖縄滞在中に好物になったものである。ほどよい塩味に細長いらっきょう。これが実にうまい。
「ニヘデビール」を飲み干し、「泡盛」に。
「レギュラー」(600円)というのをお湯割りでもらった。肴は「ソーミンチャンプルー」(600円)。この組み合わせが、実にうまかった。やや薄めのごま油に絡んだソーメンがなんともいえず、うまい。これにやや温かめの泡盛。ゆるゆると飲むのが沖縄流というのを、以前那覇に来たときに教わった。

店のおじさんは、仕切りに「こんなの台風のうちに入らない」と言っている。
外は嵐なのだが、店内はゆっくりした時間が流れている。
いいなぁ。こういう雰囲気。

今年、2011年夏も沖縄に行く予約をした。
タイミングが合えば、「めんそーれ」を再訪して、「セミ海老」食べたいな。

※写真は「ぐるナビ」にお店自身が投稿したものを使わせていただきました。
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