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居酒屋さすらい 1122 - 掘立小屋のミラクル - 「犬若食堂」(銚子市犬若)

2017-01-26 22:29:48 | 居酒屋さすらい ◆地方版

「潮の湯温泉」を出て、はてどうしようか悩んだ。

灯台の方へ向かうべきか、それとも港のほうに足を向けるべきか。

犬吠埼なら何度も行ったことがあるが、港はただの一度もない。灯台周辺は観光地だが、港は地元の人の生活圏だろう。

ボクは元来た道を引き返し、港の方に向かった。

 

外川の駅を通り過ぎると、急な坂道に出る。そこからもう目の前は海だった。

黒潮と親潮がぶつかる場所。それが銚子であり、5年続けて漁獲量は日本一である。

その壮大な海が今、眼前に広がる。

思わず、坂を駆け下りたくなった。

かなりの急坂を降りると、港に着いた。「犬吠埼観光ホテル」からすでに25分は歩いたはずだが、道を歩く人にはたった一人しか出会わなかった。人の気配が全くない。

さて、港周辺に店はないか。左右を眺めてもそれらしい店は一軒もない。

居酒屋には期待をしていなかったが、鮨屋くらいはあるだろうと踏んでいた。

けれども、店は一軒も見えなかった。

 

もう少し港周辺をうろうろしてみよう。

そう思い歩いて行くと、漁協の建物に行きあたった。もしかすると何かあるだろうと思ったが、予想に反して何もなかった。

さて、これ以上何も望めないかなと思った矢先、何かしら看板が見えてきた。

「居酒屋 海舟」。

しかし、その救世主はどこにも見当たらなかった。看板だけである。きっと、道を入った民家の一角にあるのだろう。

そう思って、再び歩き出すと、今度はクルマがたくさん止まっている建物が見えてきた。

「おや?店か?」と思い、歩き出すと、古い平屋の家に人が集まっている。店先でBBQをやっているようだ。

平屋の建物には看板があり、かろうじて何か字が書いてある。

「犬若食堂」。

これは渡りに船だった。

 

店に入るとかろうじてひとつだけ席が空いていた。

もう14時を過ぎたのに、客がだいぶ入っている店だった。

椅子に座ると、おばちゃんが出てきて、ボクにこう言った。

「ごめんね。もう『ミックスフライ』しかないの」。

「うん、うん。十分です」。

ボクはそう答えた。

 

斜め向こうに座るおじさんが缶酎ハイを飲んでいて、ボクもそれをもらうことにした。

店頭では近所の人たちなのか、地元風の人たちが大勢でBBQをやっていることもあり、店はごった返していた。もう誰が店員で、誰が客なのかもわからなかった。

客も店員も、みなため口で話している。

 

しかし、恐ろしく汚い、まさに町の定食屋である。

全てが無造作に配置され、装飾というものがほとんどない。それでも、時折芸能人が現れては、色紙にサインをしていくのだろう。壁には何枚もの色紙が飾られている。

 

やがて、「ミックスフライ定」(1,100円)が運ばれてきた。

その恐ろしくボリューミーなことといったら。

白身魚にカキ、そしてエビフライ。そのいずれも巨大である。

これはこれは。恐れ入った。

1,100円は決して安くはないが、この巨大なフライにボクは思わず震えた。

 

ソースをつけて、早速かぶりつく。

期待を裏切らないうまさ。

カシュっと衣の歯ごたえとともに、じわっとくる魚介のうまみ。

これはすごい。

微かにする潮の香りとともに、ボクは一気に最高潮に。

 

フライを一口食べて、ご飯を2口、そして、缶酎ハイ。

マジうまし。

途中で、缶酎ハイがなくなり、お代わりをいただくこと2回。

あっと言う間にボクはミックスフライとごはん、そして味噌汁、缶酎ハイ3本を平らげた。

 

満足だった。

壮大な風呂に浸かり、ボリュームのある海鮮の定食に授かる。

こんな贅沢な休日って。

海の近くというロケーションが、飯のうまさを倍加させているのは確かだが、気取らない店っぷりがまた味がある。

いつか、またここに戻ってきたい。

ボクはそう思った。

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