熊本で仕事が終わり、1泊することにした。Iサカ、I田さんの居酒屋情報、ANAホテル近くの「あじわい」がおすすめとのこと。市電でANAホテルを通りすぎるとき、注意してみていると、果たして道すがら、その店はあった。しかし、入口に貼紙があって、「本日休業」とある。これでは仕方ない。別の店を探そうか。
ホテルにチェックインして外に出た。
繁華街の花畑町まではけっこう遠い。激しい雨をついて歩いて行った。
8年前に行った立ち飲み屋を探したけど、どうしても見つけられなかった。天草の魚を出す立ち飲みだった。
ぶらぶらと歩いていると、立ち飲みらしき店を見つけた。店を覗いてみると、カウンターは座飲み。カウンターの背後のスペースが立ち飲みになっていた。カウンターは既に満席だったが、立ち飲みスペースは誰もいなかった。
ボクは、その立ち飲みスペースに陣取り、さぁ何を頼もうか、思案した。
メニューが多い。これはかなり期待できる。
まず、ビールが豊富だった。生は「一番搾り」に「ヱビス」。そのヱビスもピルスナーに琥珀を用意。更に、それらのハーフアンドハーフ。しかも、ボトルビールで、「ハートランド」。
よし、ここは「ハートランド」で勝負するか。店はオヤジさんと若いお兄さんが二人で切り盛りする。彼らはカウンターのお客さんで手一杯の様子。なかなかオーダーするタイミングが訪れない。お兄さんはボクの方に注意を向けていない。いや、ボクの存在に気づいていないのか。
待つこと5分。やや手が空いたお兄さんに、「ハートランド」と「辛しレンコン」をオーダーした。このツンとくる不思議な郷土料理が、わずか250円。安いし、しかもうまい。
ボクはこれで、もう十分だった。前日、博多で博多らしいものが食べられず、ようやく熊本で郷土料理にありつけた。あとは、「馬刺し」を食べれば完璧だ。
カウンターを占める常連らしき人らの様子を見ていると、多くの人が注文している肴があった。
「厚アゲのねぎまみれ」(380円)。厚揚げ一丁丸ごとに万能ねぎが、これでもかとまぶされている。これはすごい。ボクも早速頼んでみた。
ポン酢でいただく厚揚げのうまさったら。ねぎが合う合う。ちなみにビールから、地元の日本酒にスイッチ。焼酎という選択肢もあったけれど、厚揚げには、やっぱポン酒だろう。
お客さんはひっきりなしに訪れる。8人くらいの客が一気に現れて、立ち飲みスペースはいっぱいになった。先導してきた男が地元のようで、その他はどこからか来訪してきた人のようだ。先導する男が、「どう?この店いいでしょ」と仕切りに言う。
さて、騒がしくなってきたところで、仕上げとしようか。
いよいよ、真打ちの登場。
熊本の米焼酎と馬刺し。
馬刺しは、「ヒモ」と「フタエゴ」の二種類。ともに1,100円。前者はあばら肉、後者はあばら奥の希少部位。ボクは「フタエゴ」を注文。これが抜群に旨かった。やや淡白ではある馬刺しとちょっと辛い米焼酎の水割り。この絶妙な組み合わせがたまらない。
最高だ。火の国熊本。
後で知ったのだが、この「ねぎぼうず」、食べログのトップ5000の店だった。豊富で安価なメニューにハズレなし。これだけでも、わざわざ自腹で熊本に泊まった甲斐があったというものだ。
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