東京に4回目の緊急事態が宣言され、またもや飲食店にコロナ禍の日常が訪れた。閉店状態こそが、今や日常である。酒を飲みに家を出る。まずは東十条。「杯一」はやはり休業。駅の階段を昇って十条に。立ち飲みの「勝」は営っていると思ったが、休業。「斎藤酒場」は営っていないだろうから、後はもう「晩杯屋」にかけるしかない。恐る恐る行ってみると店内の電気は点いている。一瞬、営っているなと思ったが、そうではなかった。お惣菜をテイクアウトで販売しているのである。これで望みはなくなった。ならば、県外へ行くか。蔓延防止法の埼玉県に。
十条から駅2つ。不動産情報誌の住みやすい街に選ばれた川口である。川口に降りたのは2年ぶり。飲みを目的に川口に来たのは10年ぶりかも。駅の階段を降りた。お、立ち飲みの「日高」はもう営っている。最悪、ここでOKだ。さて、今日の目当ては「セルフ酒スタンドガソリン」。3回目の緊急事態が出た時に調べてストックしていた店だ。スマホのマップを頼りに歩くと5分くらいでお店に着いた。店舗の前にはトラックが停まっており、荷台の保冷機には様々なつまみが積まれている。
「なんなんだ、この店」。
お店に入ると、検温とアルコールの消毒。テーブルにはアクリル板もあり、感染症対策は徹底されている。丸テーブルは店内に3つあり、奥には若い女性2人組が既に飲んでいる。こういうの嫌だなぁ。
注文の仕方が分からないので、お店の人に教えてもらった。
まずはテーブルに置いてある紙に注文と名前(ニックネーム)を書いて、お店の人に渡す。次に、注文した飲み物を冷蔵庫から出す。なお、ジョッキやグラスに入れる氷や焼酎も自分で注ぐ。マドラー、箸なども所定の場所から自分で出してくるなど、セルフは徹底されている。つまみは先述したトラックから勝手に出してくるもよし、メニューにあるものをオーダーしてもよしだ。
まずは「ホッピー 白」、つまみはトラックから、「明太子ポテトサラダ」(350円)に、「塩辛ジャガバター」(530円)を紙に書いて、提出。冷蔵庫からジョッキと「ホッピー」を取り出し、ジョッキに氷と焼酎を入れた。なお、焼酎はいくらでも好きに入れられるかと思いきや、さにあらず。ポンプ1.5回が目安という。
ほぼ完全セルフといっていいオペレーションなのだが、つまみが異常に高い。通常、セルフの概念はサービスを省略するので、価格設定は安価に出来るのがセオリー。けれど、このお店は立ち飲み水準よりも高く、座飲み水準ともいえる設定だった。ただ、つまみの数は多く、とりわけトラックの保冷機にはよりどりみどりのつまみが積まれていた。一方のドリンクは安価な水準で、「ホッピー」が350円、「中」が200円だ。
まずは「明太子ポテトサラダ」からいただく。うむ、うまい。しっとり系のポテサラで、明太子が味わいに奥行きを与えている。「ジャガバター」も抜群にうまかった。今は小ぶりだったが、柔らかくてホクホク。塩辛との相性も良かった。
ただ、つまみの値段の高さが際立ち、それ以降どのように組みたてていこうか悩んだ。ホッピーがなくなり、「バイスサワー」(350円)にスイッチしたが、つまみの追加は断念。2軒目にかけることにした。
お店は女性と男性のコンビで切り盛り。はじめ、男性のお店と思っていたところ、どうも女性の方がリーダーらしい。店長さんか、もしかするとオーナーさんか。
飲み終わりも最後、食器を自ら片付けて終了。これだけセルフが徹底された立ち飲みは初めてのこと。それ自体は悪くはないが、やはりこの値段設定には疑問。初めてのお客さんも恐らくそういう期待値はあるはずで、だからその落差にやはり戸惑うと思う。これからしばらくは川口で飲もうと思うのだが、再訪はあるか。今のところ、微妙な情勢。
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