本州最北端の新幹線駅、新青森駅。
ねぶたの飾りが駅の構内を彩り、旅情を掻き立ててくれる。
駅を出る前に、ちょっと腹ごしらえ。新青森駅構内には、駅蕎麦があるのだ。
「そば処 ブナの森」。
席数6。オールカウンターの小さな駅蕎麦だ。食券の券売機は店の外。ここで購入したのが、「ほたて十万石そば」(550円)。
そう。青森のもうひとつの名産はほたて。津軽湾はほたての養殖が盛んだ。といっても、蕎麦に、ほたてが入っている訳ではない。店頭にあるフライヤーを見ると、ほたてに見立てた蒲鉾が蕎麦にオンされている。その説明文によれば、創業明治36年のご当地老舗蒲鉾屋、カネセ高橋蒲鉾屋さんが製造したほたて蒲鉾らしい。その蒲鉾屋さんの実力は高く、これまで3度、農林水産大臣賞を受賞したという。その実力高き、蒲鉾屋さんとコラボレーションしたのが、「ほたて十万石そば」らしい。
そして、出てきたお蕎麦がこれ。
まるで、マドレーヌみたいなかわいいほたての蒲鉾をセンターに。わかめと天かすでそばつゆを埋めている。たいそうなネーミングの蕎麦で、何が十万石なのかは分からない。ただ、ほたて蒲鉾の存在感は抜群だ。
まず、一口つゆをいただく。つゆは澄んでいて、優しく深い味。かつおだけではなく、昆布からも出汁を引いていると推測。蕎麦はかなり濃い黒。やや太く。田舎蕎麦っぽい。
蕎麦つゆがうまくて、蕎麦を手繰る手が止まらない。必然的に天かすが口の中に侵入し、旨味が増加する。
ほたての蒲鉾に手をかけた。プリっとした食感が、その蒲鉾の品質を全て物語っている。雑味はなく、素材の良い練りものだ。驚いたことに、ほたての蒲鉾の中から、マヨネーズが現れた。これは賛否分かれるだろう。クオリティが高い蒲鉾なのだから、それだけで勝負できるのに。ここで変化球を投げる意味が分からない。ボクはマヨネーズが好きだから、とりあえずはいいのだが。
しかし、あまりの旨さに、速攻で食べてしまった。蕎麦とそばつゆ、そして種もの。此れか三位一体となっている駅蕎麦はなかなか見かけない。新青森駅の駅蕎麦は、高い評価で自分の心のノートに記録された。
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