「立ち飲みの日」のHPを見ていて、知らない立ち飲み屋があることに気が付いた。
「RED STAND BAR」とある。こういうところは行ってみないと分からない。立ち飲みを標榜していて、転んでいることが珍しくないからだ。
例えば、ワインバーの「NAGARE」はすっかり転んでいた。また、某バルも「立ち飲みの日」のHPには「立ち飲み」と明記されていたが、転んでいた。バーやバルには転びが多い。
だから、「RED STAND BAR」も行って確認する必要があった。
SL広場の裏手。ビルの地下2階を階段で降りる。階段を降りる途中の壁に同店の張り紙があった。そこには大きく「ガールズバーではない」と書かれてあった。
地階B2は「居酒屋さすらい」立ち飲み部門史上最深である。一方の最上階は「河内屋」の6階だ。
最上と最深がある新橋は、やはり立ち飲みのメッカである。
店の扉はウエスタンドアになっていた。いかにもバーらしい。ドアを開けて中を覗くと、椅子は見あたらなかった。どうやら転んでないらしい。
時刻は17時半ちょうど。OPEN直後、どうやらわたしが最初の客のようだ。
バーカウンターの向こうに女性が一人。相当に若く見える。平成生まれは確実だろう。ともすれば、まだティーンかもしれない。
カウンターの隅に陣取り、メニューを開く。飲み物は豊富だ。カクテルはもちろん、ビールの種類も多い。その大半は洋酒である。ビールには珍しい銘柄が揃っていた。
そのうちのひとつを指して、「これは生なの?」と尋ねると、彼女は「違います」と答えた。
ボクは無難に「ギネス」を1パイント頼んだ。ギネスはもちろん生だった。
すこぶる若い女の子がしばらくして「ギネス」を運んできた。
すると、おもむろに彼女は言った。
「生って何ですか?」。
なるほど、生の意味がよく分からずに返答していたようだ。ともすれば、生とは卑猥な意味にとられたのかもしれない。
おじさんは少し困ってみせた。そして、誤解されないよう、言葉を選んで「生ビール」を説明した。
酒肴は「オニオンリング」をチョイスした。
「ギネス」の苦みに揚げ物は真っ当なチョイスだと思う。
酒肴の種類も少なくなく、ワクワク感はある。
巷ではガールズバーが増えてきたらしい。
新風営法の規制にかからない新業態という。だが、そのカテゴライズは極めて曖昧ではないかと思う。
お店の子がいろいろと話しかけてくる。だが、それは割烹着のおばちゃんの店となんら変わらない。これが、ガールズバーなのか。
だが、地下に降りる階段には、「ガールズバーではない」ときっぱり否定する張り紙があった。
そうするうちに、別の女性店員が出勤してきた。なんとなく、だが、プロフェッショナルの匂いを感じてしまう。
とりあえず、ガールズバーかそうでないかはこの際、関係ない。むしろ、楽しいか、楽しくないかが重要だ。
「ギネス」を飲み干し、「レッドアイ」を貰った。
生ビールを知らない女の子が、シェイカーを振ることはなかった。「レッドアイ」らしいものがボクの前に置かれた。
この店は夜も更けた頃から、盛り上がるのだろう。それこそ、この店の真骨頂ではないだろうか。
新橋の立ち飲み屋の奥行きは深い。こてこての立ち飲み屋から、この「RED STAND BAR」まで。
だが、この店はあくまでエンターテインメントなのではないかと思う。それならば、ほろ酔いで機嫌が良かったら、この店に足を運ぶのがいいと思う。
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