決戦の時が近づいている。カープロードは赤く染まり、それは壮観な風景だ。
マツダスタジアムに着いたが、まだ開門前で、ちょっとエネルギーをチャージしようとスタジアム周辺を歩くが、キッチンカーの姿は一台もない。神宮でも、ZOZOマリンでも、ベルーナドーム、Jリーグの味スタでもキッチンカーはわんさと止まっていて、生ビールを買うのに苦労はしない。けれどマツダには一台もないじゃないか。
気持ちを落ち着けるために、元来たカープロードを逆走し、ビール屋さんを探した。すると、割と近所の駐車場に一台の軽バンが停車し、生ビールの手書き看板が見えた。
「助かった」と思った。
お店はお弁当屋さんである。なので、厳密にはキッチンカーとはいえないと思う。でも、クルマには生ビールサーバーが積載されていた。そのサーバーから、生ビールを注いでもらう。お父さんが注ぐ生ビールは均整のとれた泡比率。一杯500円(税込)は良心的だ。サーバーに「スーパードライ」のステッカーが貼ってあるので、ビールは恐らく辛口のドライだろう。
クルマの裏側にキャンプに用いる椅子とテーブルがあり、座らせて貰いながら生ビールをいただいた。
カープロードは赤いユニを着た人が大勢歩いていく。時折、青いユニを見かけるが、その比率は数%。そして自分もこの日は赤いビジターのユニをチョイスした。背番号はもちろん25。
初めてのマツダに気持ちが昂っている。だから生ビールは重要なエナジーだ。今日勝って眼前でファイナル行きを決めてもらいたい。
実は6年前の秋、一度マツダスタジアムの前まで来た。日本シリーズの直前。チケットは持ってないから、ただ見に来ただけ。シリーズのプログラムブックを購入して帰った。
お弁当を購入するお客さんはひっきりなしにやってくる。多くは知り合いのようだ。お弁当を売るお母さんは軽妙に受け答えをしている。
「お弁当売った後、わたしも行くよー。ライトスタンドのチケットあるから」。
熱い! 老若男女、広島はカープが生活に根ざしている。
一杯の生ビールをいただき、さて行くか。
広島の熱くて真っ赤な渦へ。
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