プロ野球ファンなら、多分誰でも知っている。今は交流戦もあるから、パ・リーグファンでも知っている人は多いと思う。
カープのスタジアム名物、「カープうどん」。
旧広島市民球場時代から半世紀以上も続く、広島のスタジアム飯筆頭だ。
広島でカープの試合を観る機会はこれまで3回あったが、実はまだ一度も「カープうどん」を食べたことがなかった。昔、ニッポン放送ショウアップナイターを聴き、「カープうどん」を絶賛するアナウンサーがいて、いつかは必ず食べるぞと思ってからはや40年。今回は是が非でも食べようとスタジアムに入ってすぐお店に並んだ。
お店前には長蛇の列。30人から40人の人が並び、自分も並ぶ。うどんの提供は早いから、列はスムースに流れていく。
メニューは「天ぷら」、「きつね」、「肉」の基本3種類(650円)。これに「全部のせ」(800円)がラインナップする。並んでいる時は、「肉」をオーダーしようと思っていた。ところが、レジの子がオーダーを厨房に伝える声を聞いて、愕然とした。
オーダーのほとんどが「ぜんぶぅ」なのである。つまり、「全部のせ」なのである。やっぱそうか。みなさん、惜しげもなく、全部を投入する。それなら自分も作戦変更、選手全員で勝ちに行く、新井野球にみたて、自分も全部のせを決断した。
発泡スチロールの丼に全てがのった、「カープうどん」を手にし、店舗裏手の階段の両端に座る人たちに倣い、自分も腰掛けて、まずはつゆをすすった。鰹出汁が力強い辛めのお出汁はうまい。うどんは本場四国のそれと比べると腰は弱いが、関東人からすると普通の喉越しで自分は好きだ。肉、天ぷら、お揚げを一緒くたにしたバラエティ豊かな種物が絶妙な味を醸し出す。
うまい。
しかもなるとは渦巻きではなく、カープのマークじゃないか。
現代のスタジアム飯は様々あり、自分は神宮球場のてんこ盛りウィンナーが好きだが、カープうどんはもはや独特。唯一無二。これはもう文化だ。
「カープうどん」を食べるなら、全員野球の新井さんに倣い「全部のせ」で決まり。
「蕎麦屋さすらい」なのに、何故うどんかって? 細かいことは言わないで。
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