またもや敗北だった。
かみさんのリクエスト、「スパイスカレー」。満を持して挑んだが、結果的にまたしてもコクが足りなかった。
バターを投下し、ちょっと濃い目の鰹出汁も投入したのだがコクが出ない。またも、食卓を裏切ってしまった。
スパイスの加減は絶妙だった。カイエンヌペッパーもターメリックもマサラにクミンも、均衡のとれた配合だった。だからこそ、悔しい。
かみさんは、「ブイヨンを入れるべき」と主張する。でもさ、インスタントに頼っちゃいけねぇよ。「鶏を最初に炒め、鶏出汁を引き出す」ともいう。確かにちげぇねぇ。
このまま背信のカレーが続くと、かみさんの言うことを聞かなければいけなくなる。
こうなったら、バターを増量し、ヨーグルトもたんまりと入れて、本格的なバターチキンカレーを目指すか。
ボクにはもう残された時間はない。
本当にうまいカレーを作るための授業中はまだまだ続く。
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