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「京極スタンド」を出て、しばし街を歩く。
満腹だ。お腹が苦しい。この後、ふらいんぐふりーまん師と会う約束をしているのだが、しばらく、腹ごなしをしなければ、次のステージには進めない。
東寺に行くことにした。ご朱印をもらいながら、散策すれば、腹も減るだろう。
東寺を参詣していると、ふらいんぐふりーまん師から、連絡が入った。どうやら、彼が近くまで来たらしい。新幹線の南側の路地で、ボクらは再会した。
開口一番、師が口にしたのは、「広島カープ、もう決まったね」だった。野球の話題を師からしてくるのは、意外だった。
「この辺りに風情ある銭湯があるんだ」。
師は、そう言って、「日の出湯」を案内してくれた。なるほど。確かに木造の建物は銭湯らしからず、威厳を讃えている。今日は既に酒を飲んでしまったので、また次の機会に入ろうとボクらは約束した。
さて、暑いことだし、酒場に向かうか。
少し歩くと、一軒の商店が現れた。赤提灯が飾られ、そこに無造作に「立ち飲み」と書かれた貼り紙がされている。信じ難いが、立ち飲み屋はすぐに見つかった。
店の間口は、ビニールで覆われている。
「もう開いてるのかな?」
ビニールをめくって、中を覗くと、おばちゃんが現れた。
「どうぞ、どうぞ」
だが、店はどう見ても立ち飲みではなかった。
店内には、大きなテーブルがあったが、立ち飲み用ではない。
「立ち飲みじゃないのか」とボクが呟くと、おばちゃんは、「まだ、始めたばかりでよく分からないから」と言った。そして、おばちゃんは、ボクたちに椅子を2つ用意してくれた。
ま、いいか。
まずは、二人で生ビールを頼んだ。ボクは、癪だったから、最初の一口だけ、立って飲んだ。
つまみは、店の冷蔵庫からとってくる、いわゆるちょい飲み方式。業務用の冷蔵庫には、いくつかのつまみが用意されていた。切り干し大根や漬物などで、とりたてて、京都らしいものはなかった。
店は、酒場という雰囲気ではなく、完全に商店といった赴き。おばちゃんが座って、店番をしている。そこに酒を飲むスペースを提供する。角打ちとも違うかな。
この日、1日で、3軒目の酒場だったけど、それぞれ由来が違うので面白い。
「賀花」は、漬物屋、「京極スタンド」は、食堂、そして「畑商店」は、小売店。みんな、それぞれ進化系。
けれど、その後、我々の他に客は現れない。店に座るおばちゃんも退屈そうだ。そんな店の雰囲気は嫌いではないけど、居心地は微妙だ。
焼酎の水割りを一杯飲んだところで、お会計。忙しなかったけど、仕方がない。
師よ。次に行こう!
京都駅南口に出て、八条通りを渡ります。
駅を背にして歩くと、東寺道コミュニティ道路に出ます。
そのコミュニティ道路沿いにありますよ。
現在も、記事と同じ形でお酒を提供しているか分かりませんが、行かれた際はご報告頂ければ幸いです。
本業と酒場仕様の二毛作が、外国の観光客にも受け入れられているとは、嬉しい話題です。
京都の話題スポットとは一線を画す、アナザーサイドの京都という感じが新鮮です。
お店の近所は民泊がちらほらあるから外国人の方もいるみたいですよ。
それはそれで、面白かったけど。
最近、この店を検索したんだけど、ネットには出てこないんだ。
やめちゃったのかな。
それとも、まだ細々とやってるのかな。
今度、銭湯に行きがてら、確かめてみようかな。
まあ、面白いのは面白かったけど、他にお客さんもいなかったから、居心地はよろしくなかったなあ。おばちゃんも結構近距離にいたし。
しかし師は、流石東京の立ち飲みとか百戦錬磨だけあって、どんな店でも果敢にチャレンジしていくよね。(笑)