「ゆきちゃん」の常連さんが、絶品の旭川ラーメンに案内してくれるという。30代とおぼしき男女とともにその店に向かったのだった。
22時を過ぎた旭川の町はひっそりしていた。しかし、少しずつ歩いていくと、賑やかになってきた。
男性によると、ここが旭川の歓楽街の3・6だという。そのラーメン屋さんは、その3・6の隣の筋にあった。
道すがら、男性が説明してくれたところによると、「ラーメン ばら」は、元々スナックで出されていたメニューで、うまいと評判になったのだという。恐らく、「ばら」という店名もスナックの名残と思われる。スナックを閉店して、ママがラーメン一本にしたのかは定かではないが、現在は醤油ラーメン専門店として営業している。
店は本当にボロかった。極北のラーメン屋というあんばいだった。薄暗い店内に、蛍光灯の光がチリチリとカウンターを照らしている。厨房にはママの姿。先客にラーメンを作っている。
我々はテーブル席に着いた。安っぽい、昭和の定食屋にありがちな白いテーブル。なんか、ちばてつやさんの漫画に出てきそうな、そんな雰囲気。そこではじめて気がついたのだが、自分を案内してくれた男女はカップルではなかった。なんか他人のようなよそよそしい話し方をしている。何故、この二人が自分を案内してくれたのか。なんか、そっちの方が気になってきた。
まず、みんなそれぞれ「ラーメン」と「お酒」(400円)を注文した。ママはまだ先客の「ラーメン」を作っており、しばらくまだこっちに取りかかれない様子。
旭川ラーメンというご当地ラーメンの存在は知っていた。札幌が味噌、函館が塩、そして旭川が醤油というのが定説らしい。
先に、「お酒」が出てきた。
まさにコップ酒。まるで演歌。銘柄は分からない。一口いただく。純米や吟醸である訳がない。まさに、この雰囲気にぴったりだ。
そして数分後にお待ちかねの「ラーメン」が出てきた。スーパーは真っ黒。旭川ブラックとも思える黒さ。その出汁は15種類の野菜などから取り入れているらしい。
麺は結構太めのちぢれ麺。
うまし。
黒いスープはあっさりしている。野菜から旨味をとってるおかげで後味がすっきりだ。だからアッという間に食べ終えてしまった。
案内してくれたお二人さんに感謝のつもりで、「お代は出しますよ」と言ったが、結局彼らは固辞して割り勘になった。
他の旭川ラーメンを知らないので、軽率なことも言えないが、もしかすると、「ラーメン ばら」が旭川ラーメンのど真ん中にあたるのではないだろうか。
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