小樽の兄貴、みーさんが東京に来られ、久しぶりに揃って「まるます家」の暖簾をくぐった。このコロナ禍、「まるます家」はコンプライアンスを遵守してお店を守ってきた。だから、みーさんとの「まるます家」訪問はコロナ前まで遡る。
約35分ほど待ってようやく店内に。緊急事態明け、2回目の訪問だが、いずれも長時間並ぶ。例えば、「まるます家」の隣、「トロ函」も相当お客さんが入っているが、その他の店はそうでもない。これが緊急事態明けの酒場の現状かもしれない。要するに評価の高いお店とそうでないお店の格差が開いたのだ。「まるます家」が評価されるのはコロナ前から変わらないが、更に株を上げたのは徹底したコロナ対策だと思う。手の消毒から検温、そして飛沫対策、換気。これほどコロナ対策を徹底したお店を他に知らない。そして前述した緊急事態宣言時の自粛である。この姿勢を多くのお客さんが評価をしたのだと思うのだ。
さてようやく順番が来て席に座る。並ぶこと35分。時刻は14時40分。待望の「ジャン酎」+「モヒート」である。
我々のド定番、「たぬき豆腐」を皮切りに、サルサソースでいただく、「メンチカツ」をオーダーした。
日曜日の昼下がりにいただくジャンボ酎ハイは腹にズシンと来て、アルコールが血流とともに巡る。
昼酒はやっぱり効く。すぐに我々は上機嫌になっていろんな話しをした。
お店は満席だが、大声出す人はいないし、快適な店内だ。去年まで時々見かけた店員さんを見なくなった。ぽっちゃりとした金髪、声優のような不思議な声を出す女性の姿を前回も今回も見ない。たまたま休みなのか、それとも辞められてしまったのか。
最後に今回初めてオーダーする「下足天」をオーダーした。みーさんは自分の意外な注文に少し戸惑ったように見えた。「下足天」もボリュームがあって旨かった。こうして瞬く間に時間の90分が過ぎていった。
会計を終えて、外に出ようとしたところ、店員さんが、「黒松は?」と尋ねてきた。みーさんのお土産に自分が持ってきたものである。カウンターの棚に置いて、すっかり忘れてしまったのだ。すると周囲の店員さんも「黒松忘れてるよ」と同じ声を上げた。ちなみに「黒松」とは北区が誇る、五つ星の手土産である。
え?店員さん皆知っている。ということは、自分が入店した時、そこまでチェックされていたということか。
これには自分もみーさんも恐れ入った。そして、90分飲んだ客がその荷物を忘れていることを把握していることに驚愕した。
だからか。この逆風吹き荒れる酒場業界の中で、今も常に満席になる赤羽の酒場の雄、「まるます家」。この気遣いがそのゆえんなのかと思った夜だった。
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