マーライオンのたたずむ階段を登って、店の扉を明けた瞬間、ふわっと鼻腔を優しい香りが突き抜けた。
「いい匂い」。
瞬間的にそう思ったものの、その香りがなんの匂いか分からない。
一瞬、にんにくの香りと思い、納得したが、実はその匂いではなかった。
それは、テーブルに海南鶏飯のプレートが置かれた瞬間に理解した。
鶏を生姜で煮た、その煮汁で炊いたご飯の匂いだったのだ。
それにして . . . 本文を読む
「ろっきー」で最終ラウンドまで戦った我々は、何をとち狂ったか、「もう1軒」と嬌声をあげ、この日5軒目の立ち飲み屋へ向かったのだった。
新橋の居酒屋街から、すこし外れた地にあるフレンチの立ち飲み屋。うおきんグループのひとつである「BISTRO UOKIN」。
この店が、立ち飲みラリー新橋編の最終の地である。
足かけ4年半。新橋の迷宮に迷い込んで以来、ようやく訪れた出口は、今の新橋立ち飲み界を象 . . . 本文を読む
春を告げる球春が到来した。
今日9日の開幕戦を迎え、熊猫は人生で初めてマウンドにあがった。
先頭打者に対し、カウント3-2となったが、直球で2ゴロ。続いて連続四球を与えるもの、遊直併殺でピンチを逃れる。
問題は2回だった。
先頭打者から3者連続四死球。2つの失策が絡んで、この回だけで6失点。
3,4,5回はテンポよく投げることができ、無得点に抑えるものの、6回は再び先頭打者を歩かせて4点 . . . 本文を読む
立ち飲みの日のチケットが残り一枚。
これをどの店に使おうか。「龍馬」「こひなた」、新橋のお気に入りの立ち飲み屋は以上。最後の1枚を新規開拓に費やしていいものかとY澤さんにお願いすると、あっさりと「いいよ」と返ってきた。
新橋の立ち飲み制覇まで、あと2店。
そのうちの1店。「ろっきー」に行くことにした。
しかし、新橋の立ち飲み屋、恐るべし。
坂本龍馬から、イタリアの種馬、ロ . . . 本文を読む
ドラマ「孤独のグルメ」の井之頭五郎の食べっぷりを見て、ボクはこうしちゃいられないと思った。「いいぞいいぞ」の掛け声とともに、するすると「汁なし坦坦麺」を口に入れていく、その見事な食べっぷりを見て。
松重豊さんの食べっぷりには一目を置いていた。ドラマ「不毛地帯」で小出役を演じ、壱岐正に食事をたかるシーンでは、ステーキを一心不乱に食べ、喋りながら食べるシーンでは、かき込んだご飯のご飯粒を見事に飛ばす . . . 本文を読む
昨夜は飲みすぎたせいでね。まだちょっとブルーなんだけれど。
タバコの煙が染みついた髪が潮風に流れると、少しだけ心地がいいの。
巨大な積み荷を積んだ貨物船が見えて、それを眺めていたら、なんかおかしくなって。
誰彼かまわず、その話をしたくなったってわけ。
ボクはある人にメールをして、今何をしているの?って聞いたけれど、なかなか返事はこなくて。
そんなメールをしたことを忘れていた真夜中に、「今 . . . 本文を読む