雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

アストロアーツからの回答を受けて、只今実撮影で検証中!(ステラショット3の『オフセット』不具合問題)

2024年03月29日 | 画像処理のはなし
前回記事 をご覧になった方はおわかりかと思いますが、
ステラショットから可能になったオフセット設定機能で
不具合と思われる事象が見つかっています。
これはZWO社のCMOSカメラでは ベイヤー配列のBピクセルのみ輝度が高くなる仕様となっており、
何らかの対策をしないと カラ-バランスの偏った青みがかった画像になってしまう、という事象です。

海外の著名なアプリではZWO社からこの情報が提供されているのか、
フリーソフトを含めてこの問題への対処がされており、カラーバランスの崩れは見られません。
(バイアスフレームを使って海外の4つのフリーソフトで検証済 ----- 前回記事 参照)

ところが、ステラショットでは対策なしでメーカー供給のドライバー(?)を使用しており、
その結果 この問題が発生しているものと思われます。
という訳で
あとはアストロアーツからのこの問題に対処したアップデータの配布を待つだけ、 と思っていたのですが ・・

同じ問題に悩むJ-APA「上越天体写真友の会」の仲間のYoさんに
アストロアーツ社からこの問題にたいする回答メールが届きました。

以下が私が前回記事をアップしたその日(3/25)に届いたメール内容になります。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Subject: Re: ENQ 23560:ステラショット3/ステライメージ9 バイアスフレーム撮影画像の問題につきまして
〇〇様
アストロアーツ ユーザサポート係 です。
標記の件につきましてご回答大変お待たせいたしました。

バイアス撮影画像について、ステラショットの設定でオフセット値を大きくした際に発生するカラーバランスの
偏りが格子模様として見えているものになります。
この偏りは、ステラショットがカメラメーカー提供のカメラ制御モジュールから得られるデフォルト値を
採用しているために起きるもので、現時点では製品の仕様となります。何卒ご了承ください。
(ホワイトバランス調整機能については将来的に対応を予定しております)

上記のような状態のバイアスフレームであっても、通常の演算処理に使う限りでは結果的な影響はないかと存じます。
ご心配をおかけしまして恐れ入りますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。

以上よろしくお願い申し上げます。

■■株式会社アストロアーツ ユーザーサポート係■■ 
 以下 サポート先などは 私への返信メールでないため省略します
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
このメールを要約すると ・・・
カラーバランスが偏るのはZWO社の仕様通りに処理した結果で、了承してもらうしかない。
通常の演算処理(実際の天体撮影の事?)で使う限りは実害は発生しないと認識している。
よって、ただちにアップデータを配布することは考えていない。
となります。

私自身は実際の撮影でどんな影響がでるのかが この問題の最大関心事だったのですが、
越後の冬の空がその機会を与えてくれませんでした。
ところが幸運な事に先日(27日)満月過ぎの月が上って来る中で
おおぐま座のM81・M82コンビで検証撮影する事ができました。

なんとしても検証撮影をしてみなければ!
という気持ちにさせてくれたのが、
Yoさんが上記メールを受けて、すぐに作成してアストロアーツに送った
実害は出ている!!」という、次の資料です。 ↓

気になる人は気になる私の検証結果だと思いますが、現在慎重に検証作業を進めているところです。
本日の夜も検証用のフラットフレームを撮影予定です。

次回記事(2,3日後には公開予定)では詳しい検証結果を報告いたしますので、もう少しお待ちください。
( 実際にステラショト3ZWO社のCMOSカメラをお持ちの方は 結果を早く知りたいでしょうが・・ )

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =
実際の検証撮影では旧ヨンニッパレンズを使ったのですが、
あくまで検証用なのでオートガイドは行わずノータッチガイド。
撮影枚数も4分露光1枚だけと割り切っても オフセット6段階、ゲイン4段階で撮るとなると
それだけで24通り、更に比較のためにASIStudioでも撮影したので
結構大変でした。(ステラショットで屋内からリモート撮影ができたおかげ?)
更に翌日のダーク取得でも同じ撮影枚数・撮影時間がかかっています。
アストロアーツさんでも同じような検証を行った結果が、
今回のメール回答となっていると信じたいです。

最後まで読んでいただいたお礼という訳ではないですが、
検証開始前にズームレンズ(f200mm)とガタあり三脚で
2階の窓越しで撮った12P ポン・ブルックス彗星です。
( 画像クリックで拡大してご覧ください)
片手間処理でフラット画像もないため、中央に変なスポットが出てしまいました
2024/ 3/27 19:12'~19:20' EFZoom(f70~200㎜) f200㎜ F4 露光4秒×48枚 ISO1600 EOS6D(HKIR改造)
今度こそこの彗星のラストショットになると思います


にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へにほんブログ村
いつもポチッとありがとうございます。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ステラショット3で『オフセット』に... | トップ | がんばれ !! アストロアーツ... »

コメントを投稿

画像処理のはなし」カテゴリの最新記事