雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

パンティーではありません、シャワーキャップです。(冷却デジカメ結露対策2) 

2013年11月15日 | 機材
当分撮影できそうな天気は無さそうです。
そこで、先日作成した「乾燥空気をおくるヤツ」の検証をやってみる事にしました。
乾燥空気をおくるヤツ」ではゴロが悪いので、
今思いついた愛称、「乾井 送兵衛(かわい そうべい)」と今後呼ぶことにしました。

乾井送兵衛”は冷却デジカメの結露対策のため、
ネットで見つけた記事を参考に、材料費¥4,300、製作時間1時間と
比較的リーズナブルな費用と手間で完成させる事ができました。
問題はその除湿能力と、カメラ内部をどう除湿するかです。

A.送風能力と除湿効果

乾燥空気の送出側には2mほどのゴムチューブを接続して検証しました。
ポンプはコンセントに接続すると動作するのですが、
チューブの先から風が出ているようには思えません。
そこで水の入ったコップの中にチューブを入れてみました。
泡が出ない!
最初、ビンのキャップからの漏れや、乾燥剤が多すぎてを通過できない?
などを疑いましたが、結局ゴムチューブが短ければ元気な泡が出る事がわかりました。
2mの長さでも圧力が下がってはいるものの、水面近くでは泡が出ました。
(撮影時での使用を考えると、ゴムチューブはこのくらいの長さは必要)
購入した水槽用ポンプは一番能力の大きいものだったのですが・・

ほんとは”乾井送兵衛”の能力が高ければ、いろんな事に使おうと考えていました。
たとえば反射鏡筒内部の除湿(ミラーが曇る事がある)や、保管機材の乾燥など。
”虫の息”に近い送風であまり期待できなかったのですが
機材保管・運搬用クリアBOXで除湿能力を検証してみました。
予想していた通り、除湿はされているものの1時間で5%程度。
ただし、この検証ではゴムチューブを入れるためふたを少し浮かしてあります。
乾燥空気は軽いだろうから上部の隙間からの漏れも考えられます。


B.冷却デジカメの除湿

いよいよ、本題の冷却デジカメの結露対策です。
ビクセンR200SS反射鏡筒に接続したCOOLED60D  (ゴムチューブも接続済みです)

この対策を発案した前提として
カメラの気密性はそんなに高く無いだろう。」 というのがあります。
思い込みかもしれませんが、カメラが露でビッショリぬれるような時に
トラブルが発生しているように思います。
カメラのレンズ側はコマコレクタやFFフィルタで閉ざされている事を考えると、
本体ボデーの結露が内部の湿度を高めているのでは・・との考えです。
となれば・・、カメラを覆い、更にその中を乾燥空気で満たせば
ボデイ外側への結露を防いだ上に、内部の除湿も期待できるのでは。
そこで考えていたのが・・
パンティーではありません。シャワーキャップです。
当初は家内がホテルから持ち帰った、使い捨てのシャワーキャップを考えていたのですが、
ゴム部が頼りなさそうで2個で500円くらいのものを買ってきました。
(透明で無かったため、カメラ内部を見るため窓を付けてあります。)
ところが、2枚ともカメラに装着しただけで、
ゴムがブチブチ切れてしまいました。(500円返せ!
こんなんなら。という事で身の回りにあった梱包用のプチッ袋を使う事に。
選択バサミが余計ですが、透明で丈夫。断熱効果もありそうです。

冷却なしで除湿効果を検証してみました。
今回同時に購入した湿度計をプチッ袋の中に入れて測定。

ここでポンプを止め、袋だけでどのくらい維持できるか調べました。
乾燥機空気の送入をやめても、袋だけでもかなり維持できる事がわかりました。
となれば、一時的に反射鏡筒内に乾燥空気を送り込む事も可能です。

今回はトラブルまもない事から、冷却しないで検証しましたが、
冷却ファンが回れば、袋内の気温が上がると考えられます。
冷却効果は少し下がってもトラブルでカメラが壊れるよりはましです。
また、湿度が低い日は”乾井送兵衛”はお休みという運用方法もありそうです。

こんど撮影できる夜があれば、実際に使用してみます。

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残念ながらこの施策は、撮影画像自体の質が向上する訳でもなく、
いまひとつモチベーションは上がらないのですが、
これもまた、いたしかたなし。
もう晴れてくれないのかなぁ・・

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無謀なり! M74 北極星なしでR200SS+エクステンダー

2013年11月14日 | それでも星は流れる
幸運にも新月からまもない11月5日夜は、移動性高気圧の通過で晴れました。
透明度こそ2.5/(5段階評価)と さえませんが、贅沢はいえません。
この夜はついに北極星の見えない玄関前(家屋の南東側)で
R200SS鏡筒でのオートガイドに挑戦する事にしました。
どうやって、北極星の見えない中で機材を設営したのかは
を参照ねがいます。

暗くなるのが早いので、夕食後20時前から撮影準備に入り、
最初に撮るのは、高度が50度ほどに上ってきたM74銀河(うお座)
この銀河は以前にもR200SSで撮った事があるのですが、
暗い上に小さ目の銀河で難物だった事から、
今回はエクステンダー1.4X(合成f=1,120mm)で更に拡大して撮る事に。

長焦点でもオートガイドが追随できれば、なんとかなるだろうと考えました。
PHD Guidingのグラフもなんとか追尾しているようです。
しかし結果は・・そんなに甘くはなかった!
( 画像クリックで全体画像を表示 )
今回は露光時間を7.5分としましたが、計算上は1枚あたり約3画素の流れなのですが
ガイドの振れ幅もあり、許容範囲を越えた流れが発生していました。
それでも画像処理は一応やってみました。
M74渦巻銀河(うお座)
中央部分のトリミング画像( 画像クリックで全体画像を表示 )
撮影DATA: 2013/11/05 20:38’~ VixenR200SS+Canon1.4X(合成f=1,120mm F5.6)バーダーMPCCⅢ
露出 7.5分×14枚  ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (気温7℃ 冷却-13℃)
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7 FlatAide

やはり、北極星なしでは極軸設定の精度が低く、長焦点はむずかしいようです。
ただ、「ずれた極軸でガイドすると、ガイド星を中心に写野が回転移動する。
といわれているのですが、直線的に流れている様に見えることから、
流れの主原因が極軸設定の誤差からくるものかどうかは断言できません。

参考に4年前に撮ったものも掲載します。
撮影DATA: 2009/11/07 22:45’~ VixenR200SS(f=800mm F4.0)コマコレクタ3
露出 2分×20枚  ISO 1600 LPS-P2FIL KissDX(SEO-SP2)
タカハシ90S赤道儀 ノータッチガイド ステライメージ6
*M74の下に移動する小惑星らしきものが写っています。
(クリックで拡大して見てください。)


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親亀子亀方式に変えてからオートガイドの精度が上がっていたのですが、
北極星なしでの設営時は、エクステンダーでの拡大撮影は
避けた方がよさそうです。
次回はR200SS本体のみで撮ったプレアデス星団の予定です。

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冷却デジカメ結露対策始動。(それよりタイヤ交換だろ!)

2013年11月12日 | 機材
先日5日夜、冷却デジカメCOOLED60Dに電源トラブル(Err70)が発生しました。

原因は冷却によるCCD面への結露によるショートと推測しています。
幸い前回同様1日程おいたら自然回復してくれましたが、
ショートにより回路素子が損傷していたら、メーカ修理もできずお手上げとなります。

この時期なら冷却なしで使う手もあるのですが、
過去4回のトラブルの中には、9月に発生したものもあり油断できません。
そこでネットで調べてみたところ、乾燥空気を送る方法が手軽で
わたしにもできそうだとわかりました。
さっそく、ネット通販で材料を取り寄せてみました。
ネット通販の手軽さからつい余計なものまでポチってしまいました。
( なにをポチッたかは別の機会に報告いたします。)
以下が結露対策のためにそろえた物品です。
写真は左から
□ガラスびん・・・・インスタントコーヒーの空き瓶 [¥ 0]
●エアーポンプ・・・・熱帯魚などの水槽用(エア量調整式) [¥2,140-]
 ○ジョイント4コ・・・ポンプについてきたおまけ
●エアーチューブ10m・・・ソフトタイプでブラック [¥ 547]
●エアストーン 丸・・・・セラミック [¥ 311]
■ナニワゲル(500g)・・・・・乾燥剤 [¥1,270]
■アナログ湿度計・・・・・[¥1,890]        *いずれも送料は別
----------------------------
● Rakuten    ■ ヨドバシ


材料がそろったのでネット記事を参考につくってみました。
製作にかかった時間約1時間。こんなんできました。
左は乾燥剤を入れる前、右は入れたあとです。

乾燥空気を送る仕組みはできたのですが・・
かんじんのカメラ内部にどうやって送り込むのか?
わたしは、紙・木(なんとかプラスチックも)の工作くらいしかできず、
カメラボディを加工することなど到底無理です。
そんなわたしが考えたアイデアは?

もし効果がありそうなら後日報告いたします。
アッと驚くことまちがいなし(?)

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やけに夜冷えると思っていたら、朝起きたら白くなっていました。

そんなことより、スノータイヤの交換でもしたら?(家内の声)
ごもっともです。

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M78星雲 ウルトラマンの故郷はちょっとさみしい所?

2013年11月11日 | 天体写真(星雲・星団)
撮影画像ストックの小出し作戦 継続中。
今回の掲載画像はM78反射星雲(オリオン座)です。

M78星雲はウルトラマンの故郷とされ、
銀河系から300万光年の距離にある設定になっています。(ウィキペディアより)
「あれっ、アンドロメダ銀河より遠いのに、”星雲”でメシエ番号がついてるの?」
なんてヤボな事はいいません。
なんせ、「いちおくまんこうねんアンドロメダだいせいうん
で育った世代ですから・・

撮影DATA: 2013/11/02am 03:47’~ VixenR200SS(f=800mm F4.0)バーダーMPCCⅢ
露出 5分×14枚  ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (気温7℃ 冷却-13℃)
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7
人工衛星がM78を貫いて通過していきました。
こちらのM78星雲の方は、わが銀河系内の1600光年と近いところにある反射星雲です。
反射星雲・・・星間ガス内のチリが近くの恒星に照らされて見えているため、星雲の色は恒星の色である。

この星雲を撮るのは5年ぶりなのですが、
透明度が悪かった事から明るい部分しか写っていません。
空の暗い所で、もっと露光時間をかければ周辺の淡い部分も見えてくるのでしょうが、
わたしの自宅での撮影では無理かも知れません。

5年前にノータッチガイドで撮ったものです。(M78の位置がわかります。)
撮影DATA抜粋:2008/12/07 NFD300mmF2.8開放 露出 2分×8枚 タカハシ90S赤道儀ノータッチガイド
左上が赤いのはバーナードループの一部が写っているためです。
サンニッパレンズ(f=300mm F2.8)絞り開放のため、星がにじんで写っています。


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これで今月1日の夜に撮った画像ストックは無くなりました。
次回からはCOOLED60Dが不具合となった
5日夜に撮った画像をお見せする予定です。
尚、カメラの方は内部が乾いたのかエラーが回復しました。(ラッキー!

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星のふるさと館でプロミネンスを撮った。

2013年11月10日 | 天体写真よろず話
昨日から「星のふるさと館」で第3回 星の文化祭が開催されています。
ふだんお目にかかることのない地域のお仲間に会えるチャンスという事で、
来館者の多い日曜日におじゃましようと思っていたのですが、
予報では大荒れの天気になりそうという事で、展示初日におじゃましました。

星のふるさと館」は海抜482m。坊ケ池の湖畔にあります。(自宅から40分くらい)
この日はすっきりした天気で、頸城三山が良く見えていました。
まだ開館してまもない時間ですので、スタッフの車を除くと来館者は少なそうです。

展示会場は2階です。プラネタリウムの鑑賞を終えた方が上がってこられました。
そのかたわらではスタッフの方が、残りの展示物の飾り付けを行っています。

謙信キッズ「星の楽校」を受講した子供たちの発表展示です。(レベルが高い!)

今年は写真が少な目のようで、一番いい場所に私の写真を飾っていただきました。
(今回初めてA3+A3でA2サイズの展示だったのですが、やはり大きいと見栄えがします。)
ふるさと館のHOSOYAさんのお話では、
今年は写真が少なそうと聞いていましたので、
急遽6日朝に撮った2つの彗星を印刷し、A2パネルに入れてお渡ししました。
A3+A3=A2サイズでの展示となります。

このあと、新潟県下最大の65㎝望遠鏡を覗かせていただきました。
青空の中のベガや金星を見せていただきました。
( 写っておられる皆さんから、ブログ掲載をのお許しをいただいております。 )
今年から初お目見えしたHα太陽望遠鏡も覗かせていただきました。(晴れてて良かった。)
太陽望遠鏡はCORONADOの口径6cmでしょうか? 意外にずん胴です。
スタッフの方から、カメラアダプタがあるので撮って見ないかと言われ、
他のお客さんに2、3分ほど待ってもらい4枚ほど撮らせていただきました。
下の画像は家に帰ってから、その4枚をコンポジットしたものです。
やや上にプロミネンス(紅炎)が見えています。(覗いて見たときとほぼ同じ感じです。) kissX2 ISO400 1/50sec
ピント位置がよくわからなくて4枚撮ったのですが、
コンポジットしたら画像処理だろうということで、
ステライメ-ジ7で遊んでみた結果です。(太陽部分を拡大トリミング)
( クリックで全体画像を表示 )
前に撮った事のある、黒点だけの画像とは明らかにちがいます。

ほほう、これはもう少しまじめに撮ればかなりの画像が得られそうです。

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太陽のプロミネンスは初めて見せていただきました。
10分くらいでプロミネンスの形が変わっているのがわかりました。
撮影までさせていただきありがとうございました。
星の文化祭」は、11月24日(日)まで開催されています。

雲上くもがみ
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