雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

今年初めて月を撮る

2016年02月19日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
2月の奇跡」シリーズの11日夜に撮影したものが まだ2タイトル残っているのですが、
昨夜(18日)は今年に入って初めて月を撮影しましたので、そちらを先にお見せします。

長焦点のVC200Lは今年に入って初めての実戦参加です
GPV予報どおり夜になると西から雲が出てきたので、焦って夕食前に何枚か撮影しました。

夕食後 機材を撤収しようとしたところ、一度は全天を覆っていた雲が無くなっていました。
そこでもう一度撮り直したもので処理した画像です。

今年初めての月(月齢8.9)(南部・北部 モザイク撮影)
( 画像クリックで元画像の40%で拡大表示 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2016/ 2/18 20:51’~ Vixen VC200Lf=1,800mm F) 露出 北部・南部とも1/80秒×16枚
 ISO 400 Cooled 60D (冷却オフ)  タカハシ EM-200 Temma2M AviStackでコンポジット マイクロソフト I.C.E でモザイク結合 

撮影前にライブビューで確認したところ、月面のゆらぎは中の下といったところだったので、
枚数を撮ってAviStackでの画質改善を行いました。

この夜は予報に反してその後も雲が出なかったので、フリーソフトのEOS C.M.Rで欠け際の動画撮影も行いました。
動画は2分で25カットも撮ったのですが、RegiStax6で1カット30分以上の処理時間がかかるため、
モザイクでつないだ画像は今回の記事ではお見せできません。(期待できないので、動画処理はあきらめ?)

参考に今回も各処理方法による比較を行います。
( 比較画像は、「虹の入江付近」 と 「コペルニクスクレーター付近」を切り出したものです。)

◆ 撮影元画像 (処理前の1枚画像)
FIL改造および、光害カットフィルタも付けたままだったため、カラーバランスが崩れています
これがシィーング(空気のゆらぎ) 中の下の画像ですが、もっとひどい時も当然あります。

◆ AviStackによる静止画コンポジット (16枚コンポジット画像)
処理途中のアートフルな画面も気に入っているのですが、処理に多量のメモリが必要で
メモリー不足のエラーメッセージを出さないよう、事前に画像の分割や縮小が必要です。

◆ RegiStax 6 による動画コンポジット (EOS C.M.Rによる2分程度の動画を処理)
EOS C.M.R でライブビュー画像の1/5サイズを動画として記録しますが、拡大率は静止画と同じです
一時間以上かけて動画2カットのみ処理してみました。

静止画にせよ動画にせよ専用ソフトで処理すれば明らかに画像は改善できるのですが、
やはり空気のゆらぎが大きい時は、おのずと天井が決まってしまいます。

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わたしにとって月は貴重な星空を台無しにする邪魔者ですが、
これで空気のゆらぎが無ければ魅力的な対象になると思います。
次回からは残った2タイトル(春の系外銀河)の掲載を予定しています。

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たまには散開星団も M35付近 (2月の奇跡その3)

2016年02月18日 | 天体写真(星雲・星団)
今月は8日に撮れたのでこれで終わりかと思っていたところ、
その後11日になんと一晩中晴れるという奇跡がおきました。
その時撮れた5タイトルを雪国の「2月の奇跡」シリーズとして順次お見せしています。


シリーズ3回目は、春の系外銀河が南中するまでの合間に撮った ふたご座の散開星団です。

M35付近の散開星団  (ふたご座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
左側 まばらで大きいのがM35、中央で球状星団のように見えているのはNGC 2158、右側の小さな集まりにも IC 2157という名前がついています
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2016/ 2/12am 00:00’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出 分×4枚+分×4枚
 ISO 1600 Cooled 60D (冷却オフ)  タカハシ EM-200 Temma2M ガイド鏡GS-60S PHD2Guiding ステライメージ7
中央部分のトリミング画像です。
彩度を思い切り上げているため、星の色の違いがわかります
M35 までの距離は2,800光年、NGC2158 まではその約4倍遠い11,000光年だそうです。

撮影中の風景 おりおんショット+(プラス) です。
さすが、メシエNo.のついた星の集団、広角レンズでも存在がわかります。
( 画像クリックで星座線の入った画像を表示します )
星空と地上を別に処理して再合成しています
 TAMRON Zoom (f=17mmF2.8) 30sec×4 ISO 1600 kissDX(SEO-SP2) *ソフトフィルタ使用

星だけが写った画像処理は何て楽なんでしょう。(撮影も楽)
ちょっと物足りなくて、このあたりが散開星団めったに撮らない理由かも。

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昨夜は早い時点でのGPV予報では日が替わる頃から
雲が切れるというものだったので、主な機材を裏口に運んでおきました。
今回はVC200Lを使う予定でした
月と木星を撮ったあとに 北天の銀河を撮る予定だったのですが、
予報が悪化して2時近くになっても雲が切れなかったため寝る事にしました。
翌朝起きてみたら、晴れてはいたもののまだモヤっとした空。
徹夜しなくて良かった。

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ばら星雲 モザイク撮影 (2月の奇跡その2)

2016年02月16日 | 天体写真(星雲・星団)
今月は8日に撮れたのでこれで終わりかと思っていたところ、
その後11日になんと一晩中晴れるという奇跡がおきました。
その時撮れた5タイトルを雪国の「2月の奇跡」シリーズとして順次お見せしています。


シリーズ2回目は、おなじみの ばら星雲です。

ばら星雲  (いっかくじゅう座) モザイク撮影 * 一部トリミング画像
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2016/ 2/11 22:03’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出 東・西 各10分×2枚+分×6枚
 ISO 1600 Cooled 60D (冷却オフ)  タカハシ EM-200 Temma2M ガイド鏡GS-60S PHD2Guiding ステライメージ7
この星雲はこれまでも何度も撮っているので、今回はR200SSで東西に分けてモザイク撮影してみました。
* あとでつなぐため一部重複するように撮影しているのですが、南北方向がずれてしまいました。
それぞれ処理したものをMicrosoft mage omosite ditorでつないでいます。

当初は西・東それぞれ1時間露光の予定だったのですが、撮影開始が遅れたため40分に短縮しました。
モザイクしなければ倍の露光時間が稼げたのですが ・・
以前にR200SSで モザイクなしで撮った画像
構図は窮屈ですが今回の倍以上の露光をかけています。 (撮影時のコレクターはコマコレ3

撮影中の風景 おりおんショット+(プラス) です。
冬の大三角形 と、電線に重なってしまった ばら星雲 です。
( 画像クリックで星座線の入った画像を表示します )
星空と地上を別に処理して再合成しています
 TAMRON Zoom (f=17mmF2.8) 30sec×6 ISO 1600 kissDX(SEO-SP2) *ソフトフィルタ使用

今回もステライメージ7の「レベル調整」で R・G・B毎のピークの山をそろえることをやめました。
その辺の話は編集後記の下に載せておきましたので、興味のある方だけご覧ください。

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おとといは強い南風(春一番?)が吹いて、
道路や家の周りの雪が一気に消えてしまいました。
暖かくて気分はもう春、昨日になってぼたん雪がちらついた時も
2月15日 10時25分
「春の雪は風情があってよいなぁ。」 なんて思っていたのですが・・
その6時間後には・・
2月15日 16時28分
雪国の2月は まだ冬だった事を思い出しました。

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ステライメージ 7 での 「レベル調整」 の 話

わたしの場合、ステライメージ を使い始めてからずっと「レベル調整」でヒストグラムの
各R・G・Bのピークの山をそろえるのが習慣になっていました。
理由は画像背景のカラーバランスをニュートラルグレイに合わせるためだったのですが ・・

そもそも撮影画像は、カメラのフィルタ改造や光害カットフィルタ(わたしはLPS-P2)
カラーバランスがくずれています。
canon D.P.P による今回の撮影元画像のヒストグラム

この撮影画像を何枚かコンポジット(重ね合わせ)するのですが、
わたしの場合は 重ね合わせる前の「ベイヤー・RGB変換」で最初のカラーバランス補正を行っています。
[ホワイトバランス調整] を「手動」/「自動調整値」でやっています。
(「手動」ではなく「自動」にしたときとの違いは、正直言ってわかりませぇ~ん。)

このあと、重ね合わせてできた画像に対して画像処理を行っていくのですが
わたしの場合、その最初に行うのが「レベル調整」です。
すでに「ベイヤー・RGB変換」で カラーバランス補正を行っているのですが、
RGBのピークの幅まではそろっていません。(ピークの幅では無く、最大値で合わせてある?)

これをこれまでは、RとBのレベル幅まで調整して合わせていました。
従来のこのやり方で今回の画像を処理すると・・
こちらが好みという人もおられるかも知れませんが、
今回見直した理由は
今回のばら星雲のようにヒストグラムのピークには背景だけでなく、星雲の分も含まれているという事。
つまりヒストグラムのピークの幅まで合わすのはやり過ぎではないかという疑問でした。
レベル調整では、処理後の諧調に大きな影響を与える「RGB」全体の表示巾のみにとどめ、
背景のカラーバランスはこの後の手順で必要により補正を行う。
例えば
トーンカーブ調整(R・G・B)
オートストレッチ

□ canon D.P.Pでの「トーンカーブ調整」 など

ちなみに、私の場合の「レベル調整」での「RGB」全体のレベル表示巾は・・
○ Cooled60D(14bit)⇒ 2000
○ kissDX(SEO-SP2)(12bit)⇒ 500
を基本としています。(理由は過去の経験から)
これまで「R」と「B」の表示巾を変えると、「RGB」の表示巾まで変わるので合わせるのに時間を費やしていました。
こんな事やってたのは、わたしだけですよね? )
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燃える木と馬頭星雲 (2月の奇跡その1)

2016年02月14日 | 天体写真(星雲・星団)
今月は8日に撮れたのでこれで終わりかと思っていたところ、
その後11日になんと一晩中晴れるという奇跡がおきました。
その時撮れた5タイトルを雪国の「2月の奇跡」シリーズとして順次お見せします。


初回は、まだ9時前の灯火で明るい空で撮ったオリオン座の馬頭星雲付近です。


燃える木と馬頭星雲  (オリオン座)
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大表示 )
撮影DATA: 2016/ 2/11 20:39’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出 10分×2枚+分×10枚
 ISO 1600 Cooled 60D (冷却オフ)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

ノイズを抑えるのには低感度 ISO800で露光時間を延ばした方が良いのですが、
貴重な晴れ間にそんなもったいない事はできません。
明るいこの鏡筒でも ISO1600で10分露光はいけるのですが、
今回はまだ空が明る過ぎて5分が限界でした。(結局、露光不足となりました。)

今回ステライメージ7 での画像処理で「レベル調整」のやり方を変えてみました。
以前のやり方で処理すると・・
これまでは「レベル調整」で、ヒストグラムの各R・G・B毎のピークの幅まで揃えていたのですが、
今回は「RGB」のレベル調整だけにしてみました。
要は画像の背景のRGBバランスをどうするかなのですが、詳細は別の機会に。

撮影中の おりおんショット+(プラス) です。
星空と地上を別に処理して再合成 TAMRON Zoom (f=17mmF2.8) 30sec×4 ISO 1600 kissDX(SEO-SP2) *ソフトフィルタ使用

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一晩中撮れたといっても、空が暗くなるのは
日が替わってみんなが寝静まった0時過ぎになります。
更にいろんなタイトルを撮りたいという事から
総露光時間が不足気味になりました。
次回はこの後撮ったバラ星雲で、東・西に分けてモザイク撮影しています。

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2月に徹夜!? おまけに新月期 !!

2016年02月12日 | 天体写真(星雲・星団)
昨日はなんと一晩中晴れて徹夜で撮影する事ができました。
予報から移動性高気圧の通過で晴れ間が出る事は期待していたのですが、
まさか一晩中晴れてくれるとは・・
今回は防寒着・ズボン・靴下を2枚重ねに、冬の撮影がつらいことには変わりありません

それにしても反射鏡の曇り止め対策が間に合って良かった。
8 日の撮影で鏡が尋常でない曇り方(霜?)をしていたので、乾燥空気を送り込む事に

筒内気流の乱れなど気にせずに、一晩中乾燥空気を送りこんでやりました。
おかげで朝方 撤収時には・・
筒の外側はこんなになっちゃったのに・・
内側も先端部は凍り付いていたのですが、鏡の曇りは許容範囲内に抑えられました。

幸運に恵まれながらも、こんなにつらい思いをして成果は得られたのか?

安心してください。
ばっちり10日分くらいのストック画像が撮れました。

どうせ今月はもう撮れないだろうということで、ゆっくり画像処理を楽しもうと思います。
いずれも R200SS+コレクターPH(合成f=780mm)で撮りました。

今回はその中から・・
まだ8時前で灯火で空が明るかった
本命が南中する前の時間つぶしだった
本来はVC200Lの長焦点で撮る予定だった
丁度電線群を通過しているところだった

という、救いようのない画像をお見せします。

M76 小あれい星雲  (ペルセウス座)
2016/02/14 0:00 再処理画像に差し替え( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
撮影DATA: 2016/ 2/11 19:52’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出 分×6枚
 ISO 1600 Cooled 60D (冷却オフ)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

只今 電線群通過中であることは、星雲の左横の星がバーティノフマスク状態になっていることからもわかります。
これではあまりに小さいので、トリミング画像も。
2016/02/14 0:05 再処理画像に差し替え
星だけでなく、画像全体が 「バーティノフマスク 外すのを忘れて撮った」 状態になっているはず。

それでも、撮影中のおりおんショットは忘れておりません。
今回もおりおんショット+(プラス) で画像加工しています (30秒×4枚)
北天の対象は南中後に横切るしかないやっかい者な電線群です。

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残りのまともな(はず?)の画像は5タイトルあります。
撮った順番に画像処理をして、2日おきくらいにお見せできるかと思います。
次回はこのあと撮った「燃える木と馬頭星雲」の予定です。

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