「愛なき世界」は、本屋大賞ノミネート作で日本植物学会賞特別賞受賞作の三浦しをんさんの小説です。
「愛なき世界」とはなんだろう?と思ったら、「愛」という概念を持たない「植物の世界」のことでした。
洋食屋の見習い藤丸くんは、恋愛や結婚に全く興味のない院生・本村紗英に恋をします。
そして、植物の研究に没頭する本村を、藤丸君は理解し、植物学に興味を持ちます。
専門的な話にはついていけなくなりそうですが、へえ~と藤丸くんと一緒に学んだりもしました。
服のセンスが独特の本村に対する藤丸くんの突っ込みに、居合わせた研究室のメンバーが噴き出す場面では、つられて大笑いしてしまいました。
研究者たちは、愛のない研究対象の植物を限りなく愛し、藤丸くんをはじめ洋食屋の店主や常連さん達など登場人物みんな愛すべき人達です。
内容は人間味あふれる「愛ある世界」でした。
上下巻とも巻末に「藤丸くんに伝われ 植物学入門」と題して、登場する植物や実験器具、専門用語の解説付きです。
本の紹介ブログでは、見出しに表紙を真似た書を書いて載せていますが、今回は丁度良い便箋があったので、それに書きました。