◆ pianist と sacred love と he

2004年11月07日 | diary
 いつもの土曜日の朝。
「背中が痛いから、昨夜は良く眠れなかった」
母が私に訴える。
「土曜日もやっているはずだから、ペインクリニックに連れて行ってもらいたいの」
80過ぎた母はわたしに甘える。
「予約の電話をしてもらいたいんだけれど」
「そのくらいは自分でやって欲しいな」
やんわり、自分で電話を掛けるように向ける。
老いた人を甘やかすと、その後限りなく甘え、その上自立心が失われていくという。
義父を介護している友人の言葉を思い出す。

「9時15分が空いているって」
せっかちな母、少しでも早い時間を選ぶ。他の時間も聞いてくれればよいのに……。
現在、8時45分。
いくらスピードを出してもぎりぎり到着の余裕の無さ。
わたしは化粧の最中、髪も梳かしていない。
口紅だけを引き、急いで着替えて、母を車に乗せて大急ぎで家を出る。

85歳の父は風邪気味で機嫌が悪い。
9時10分にクリニックに着く。
待合室で、昨日買ったイェリネクの「ピアニスト」を読み始める。
映画を観てから、原作を読みたいとずっと思っていた。
先日イェリネクがノーベル賞をとってから、書店で彼女の作品が書店に並び始める。
ポルノとも揶揄される彼女の作品だが、描くところの女性の特異な心理には惹かれる。
4,5ページをゆっくり読んでいたら、母が診察室から出てくる。
痛みが軽くなった母は、車の中でハイだ。
「あのお医者さんね、どこかのマラソンに出るんだって。走っていると、死ぬ時は長患いをしないで
ポックリ死ねるらしいよ」
「なんのこっちゃ」

 帰り、いつものガソリンスタンドに寄る。
茶髪の若者三人が、今日も感じの良い仕事振り。
見ていて気持ちが良い。窓の拭き方も丁寧で、おまけにガソリンは他店より安い。
いつだって混んでいて盛況。


それを気にしながらも、遅れている家事を済ませる。
お茶を入れて、テーブルの上のパソコンに向かう。
昨日、本と一緒に紀伊国屋で買ったSTINGの“SACRED LOVE”を聞く。
なかなか買うきっかけがなくて、やっと今頃。
離れて暮らしている息子と武道館コンサートへ行くので、ちゃんと聴かねば。
偶然、息子と同じSTINGファンなのがわかりびっくり。
息子とは不思議といつも趣味が似ている。DNAが同じだもの。
ブッシュも再選され(がっかり)
あの9.11に触発されたSTINGのこの一枚。お気に入りの一枚になる。
聞きながらメールチェック。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする