年寄り笑うな……行く道じゃ

2006年01月12日 | diary
老いた両親と居ると、これからの自分の老い支度に(まだまだと思っていても、案外近いかも)学ぶことが多いものだ。

年を取ると、だんだん親というものの権威のタガが外れてくるのだろうか、わたしが子供の頃に散々叱られたことを親がするようになってきた。
例えば今日も。
お風呂だけは共用していて、両親の後にわたしが入浴する。
浴室に入ると、蓋が少しずれしっかり冷めて温くなっている。
シャワーヘッドは床に転がり、洗面器には湯が入ったまま。
絞りが甘いタオルからは水滴が滴り落ちて…下に掛けてあるわたしのバスタオルを濡らしている。

そんな時に、この言葉を思い出す。

「子供叱るな来た道じゃ。年寄り笑うな行く道じゃ」

わたしは今でこそ二世帯住宅ながらもわたしの親と住んではいるが、子供の頃から親とは決して上手くいっていたとはいえなかった。
不安神経症気味の母と頑固で癇癪もちの父。
調子よく親の過干渉から逃げ切れる姉は、両親のそんな面をかわすことができたが、要領の悪いわたしは母の際限の無い愚痴と父の難しさの間でオロオロするばかりだった。
しかし、わたしも大人になり上手く立ち回れるようになったが……

まったく入浴のこと、ひとつとってもわたしが文句を言われてきたことを、今その親がやっている(苦笑)

先日息子が帰省した折に、そんな話しをしながら、昔沢山叱っちゃってごめんねと早目に謝っておいた。
息子は静かに笑っていたが…

年寄り笑うな行く道じゃ…
最近は親に文句を言っても、反省をせず口答えをするときもあり、まったく可愛くない(笑)
だから更に腹が立つので、自分のほうで先回りをしたり気を使うようにしている。

しかし、今夜はわたしもうっかり忘れて飛び込めば、あらら冷めていた。
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