日曜美術館は、私の好きなジョヴァンニ・セガンティーニだった。
実は先週も観たけれど、再放送の今日も部屋を片付けながらまた観てしまった。
今春セガンティーニ展が新宿で開催されるので楽しみにしていたら、震災で出展中止となりがっかり。
日本では、決してメジャーな画家だとは思っていなかったけれど、ファンは増えているらしい。
なんといっても、彼の描くスイスアルプスを観ていると、独特に醸しだす空気感と、そこに描かれた素朴な人々の清々しさに心が洗われる。
それに、セガンティーニというとアルプスが思い浮かぶが、何年か前にウィーンのベルヴェデーレ宮のギャラリーで観た、マザーシリーズの代表作「The Bad Mothers」は私にとって忘れられないセガンティーニの作品になった。
その絵の前で立ち尽くし、しばらく動けなくなった作品というのは初めて。
言葉では言い表しにくいけれど、絵に感動したという簡単なものではなく、その絵の前が急に異質な空間になったことは覚えている。
ベルヴェデーレのクリムトもシーレもココシュカも大好きだけれど、この「The Bad Mothers」は私の心を捉えて離さなかった。
セガンティーニの不幸な生い立ち、そして母親の早い死が、絵に強く反映しているとか。
The Bad Mothers
11月に美術展が再開されるらしいが、多分この絵と会うことは無いと思う。
ところで、ウィーンで彼の画集を当時日本円で4,5千円で手に入れたけれど、現在アマゾンで中古品で7万円近くしているのには、ビックリ…
こんな絵も愛らしくて好き