【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ハーブの不思議な魅惑 Ⅱ

2009-05-13 22:48:28 | ハーブと香り雑学

【ローズゼラニウムの花】

   昨夜のうちに降った雨は、
  朝にはやんでいました。

   アンではないけれど、こんな朝は、
  空気がピカピカ光って綺麗です。

   木や草花の葉っぱも、雨の雫の
  宝石をまとって輝いていて・・。

   昨日などは、もう真夏日でしたから
  草花達は、こんな自然の恵み、
  本当に嬉しいでしょうね。

   そしてこちらは、今年初めての蜻蛉(トンボ)です。
  ガーデンテーブルのレースの上に止まっていました。

   去年などは結構、追いかけっこしましたのに、今年は随分慣れています。
  でも蜻蛉って、こんなに早くやって来ましたっけ・・。
  さて、前置きはこの位にして。昨日の続きです。

     野の花は日本人にとって、
    万葉の昔から慣れ親しんで来たようです。

     まだ春の浅いうちから草摘みをした様子が、
    様々な歌にも詠まれていますし、それらは“春の七草”として、
                  私達にもごく身近ですね。   

   昔から春の行事として大切にされて来た草摘みは、万葉集第1巻にも謳われています。
  春独特の香りの苦味に薬効があるとされて来たのですね。

     そして明治の文豪、幸田露伴。
    彼も、草摘みを楽しんだようです。
    その様子は、昭和3年に発表した随筆、『野道』 に詳しく書かれています。

     露伴も草摘みに出掛けたのですが、どれが食べられる野草なのか見当も付かない。
    仕方なく近くにあった葉っぱを口に持って行くと、同行者が慌てて打ち落としたのだとか。
    それは、恐ろしい毒草だったそうです。その一端を万葉集と共にどうぞ!     

  もよ╱み持ち╱掘串ふくしもよ╱み掘串持ち╱この丘に╱
 菜摘ます子╱家らせ╱名のらさぬ╱そらみつ・・・」
              ~万葉集巻第一ひとまきにあたるまき 雑歌くさぐさのうた

 ・・・先生の言によると、それは タムシ草 と云って、
その葉や茎から出る汁を塗れば疥癬ひぜんの虫さえ
死んでしまうという毒草だそうで、
食べるどころのものでは無い危いものだということであって、
自分も全く驚いてしまった。
 こんな長閑気のんきな仙人じみた閑遊かんゆうの間にも、危険は、
伏在ふくざいしているものかと、
今更ながら呆れざるを得なかった。
                   ~随筆 『野道』 より


   それにしましても、昨日の 「蔓日々草」 もそうでしたが、
  普段私達が馴染み深いもので、思いもかけない毒草って、あるものですね。

   「鈴蘭」 は知っていましたが、「クリスマスローズ」、
  「カロライナ・ジャスミン」、「福寿草」
は、知りませんでした。

   他には、「アルニカ」、「草の王(黄)(クサノオウ)」、「コルチカム」、「ジキタリス」、
  「西洋走野老(セイヨウハシリドコロ)」、「朝鮮朝顔(チョウセンアサガオ)」、
  「ヒヨス」、「ブラッドルート」、「毒人参(ドクニンジン)」、「洋種鳥兜(ヨウシュトリカブト)」、
  「寄生木(ヤドリギ)」、「洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)」 等など・・。

   「西洋走野老(セイヨウハシリドコロ)」 に至っては、食べると幻覚症状が出て、
  走り回る事からこの名前が付けられたそうですね。どうぞ、お気を付け下さい。

   ただ、これらの毒草も一般人には毒草であっても、強心剤や麻酔剤などの薬剤に、
  なっているようです。毒にも薬にもなる・・という事ですね。

   【注: ↑ 随筆 『野道』 の 「タムシ草」 は、「草の王(黄)」 の別名です。】