声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

自意識過剰

2013-01-24 17:29:36 | テレビレポーター、キャスターの仕事
古い話で、今さら…という感もあり
ますが、
歳を取ると現在記憶より過去記憶の
方が鮮明になってくるものですね。(^_^;)

職業に適性があるとは言いますが
人間には適応能力が備わっているはずで、この仕事は向かないと思っても

ある程度は、どのような職業でも自分を合わせて行くしかない、

それが私の場合、アナウンサーという仕事でした。



ニュースワイドでTVの仕事を始めてすぐに上司から言われました。

「そうだ、警察の強行犯係に挨拶に行って来なさい。事件現場のリポートもいずれあるだろうから。」

報道番組のアシスタントという肩書きの名刺を持ち、

記者に連れられて県警に挨拶に行くと
何ともガラの悪そうな角刈りアタマに
強面の刑事さん達が、

いきなり初対面の私に

「今度、一緒に飲みにいくかいっ!」

と声を掛けてくれたのですが、

どうみても警察官にみえない 彼らを前に、たじろぐばかりでした。

後になって知った事ですが、
この地域では、お酒を一緒に飲む事で
コミュニケーションをより円滑にする
慣習が昔から受け継がれているとの事でした。
「一緒に酒をのもう」というのは
新入りを歓迎する、いわゆる社交辞令だったのです。

元自衛官という“変わり種”として
地元紙にも取り上げられた私は、
いつの間にか有名人になってしまったようで、

バーゲンに行った翌日には、

『昨日、◯◯デパートのバーゲンに来ていましたよね』

という投書までくるように…。

電車に乗れば見知らぬ人から話しかけられ、

スーパーに行けば、
「アナウンサーさん、今日はカツオが安いよ!」

歩いていても前から来た女子高生に
「サインしてくださ~い!」
と呼び止められ、

私は、いつも誰かに見られているのでは?…と
外出中、周りが気になるようになり、

自意識過剰になってしまいました。

清水由美 

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