「この辺りに白い壁の洒落た店があったんだけどなぁ」
と言う夫の後をついて行くと
ウッドデッキの奥にテーブルと椅子が積まれたままの、
一見すると一般住宅にも見える大きな洋風の戸建の庭先に着いた。
ドアの奥に人影が見える。
「こんにちは!」と声をかけると、
私とほぼ同年代の女性が出てきて、
「あら〜、ダルメシアン…珍しい!」
と笑顔で答えてくれた。
「以前はカフェでしたよね?」と夫が訊くと、
「そうなんですけれどね、コロナでお客さんが来なくなったので、休業中なんです」
と、申し訳なさそうな表情で言う。
「でも、またそのうち始めようと思っているところですから、また寄ってください」
と人懐こい笑顔で見送ってくれた。
周囲は紅葉の美しい場所で川も流れている…
水音を聴きながら色づいた木々の中で温かいコーヒーを飲むのは叶わなかったが、
そもそも目的を持って探さないとわかりづらい場所だ。
こんな人里離れた場所にカフェがある事自体が意外な印象を持った。
場所を登録しようと思ったけれど、
マップで検索しても出てこないので、近くに立っていたカルタの説明板を撮ってきた。
なんて名前だったかな…
《シエスタ》という名前が店の名前についていたような…
検索すると『シエスタの森』というカフェのようだ。
今日のニュースで
《自粛生活の反動として期待されるリベンジ消費は限定的》という記事を読んだばかりだけれど、
この手のネガティブな記事が出るたびに、
廃業や閉店を考えざるを得ないオーナーもいるのではなかろうか…
それが、とても残念でならない。
次来る時は開いていますように。