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ソ連のしたこと
① ソ連はチェルノブイリ事故で地下水汚染を防ぐために必死に努力していたのです。国中から炭坑夫を集めて、溶け落ちた燃料が地下水に接触しないように先回りして穴を掘って塞いでしまうという対応まで行っているわけです。地下水対策をきちんとやらないと河川に流れ出てそのあと海に行ってしまいます。それは国際的に大問題になるので何としても防がないければいけないということで、国家が総力をあげて対処した わけです。
② 国民に対しては、放射線管理区域は年間約5ミリシーベルトということになりますが、それを超えるところと世界標準の年間1ミリシーベルトから5ミリシーベルトの間については移住権を与え、選択肢を与えています。
日本の場合 政府としての取組が十分行われていない。本来は国として取り組まなければいけないのに原賠法の適用を見送り、すべて東電の責任範囲内にしてしまった。事故が起きてしまったら ほんらい経営問題として対処すべきことではないのに金がかかることはやらなかった。
① 被害者に対する補償問題の全てをこじらせている。
② 事後的に基準を緩めて放射線管理区域に人を住み続けさせている。
③ 被害を受けた人に対して生活再建とか補償のスキームを作っていない。結局、被害を受けた人に全部しわ寄せがいっている。生活再建の目途も立てられず、放射能を浴びたらそのまま。
④ 発災以来、新潟県で甲状腺がんになった人は1人です。福島は今確定しているものだけで18倍で、疑い例を合わせると30数倍 100倍近いかもしれないということになっている。
事故後に生まれた赤ちゃんについて、チェルノブイリでは甲状腺がんは確認されなかったのです。放射性プルームが通るときに生まれていなかったからです。
ソ連政府は、事故後に生まれた赤ちゃんの発症率と事故のときに実際にもう呼吸していた方の発症率を見て、事故後に生まれた赤ちゃんが正常に戻ったことから(事故の影響を)認定したということです。
5年目ぐらいだったでしょうか。もう少し経ってマクロで意味がある数字を新規に生まれた赤ちゃんと比べてみれば原発事故の影響かどうかはっきりわかるのです。今の段階で影響がないと否定してしまうということが本当によいのか どうかについては歴史に学ぶべきではないかと思っています。
経営と安全を天秤にかけるいうことが今の事態を招いていますし日本の国際的な信用を落としているのではないでしょうか。
日本では大雨について報道していましたが、BBCなどは一時期この汚染水の問題をトップニュースで扱っていました。これほど差があってよいのでしょうか。
世界で日本の評判がどんどん落ちていきます。まじめに対応するべきではないでしょうか。