実家では、お正月なると母が羽子板を飾っています。昔、羽子板は女の子に魔除けとして送られたとか。江戸時代には、歌舞伎役者を押し絵にするようになり華美になりすぎ禁止されたこともあったそうです。きれいな羽子板に、子どもの頃、これで羽つきをしたがって母を困らせました。
フルートのレッスンをしていると、上達しやすい人と、そうでもない人がいます。
例えば「私は低音が出にくくて、どうも苦手です。」とか、「指が回らなくて」、「楽譜が読めなくて」と言う人によく出会います。
ところが、フルートを吹いていなかったか?と言うと、そんなことはありません。
毎日吹いていたり、アンサンブルをしていたり、真面目に練習されていて、思うように効果があがらない。
同じ時間、同じように、部活でスケールやクロマティックをやっていても、上達する人と思ったように伸びない人がいます。
それは、いったい何によるものなのか?
今まで言われてきたのは、練習が足りない、努力が足りない。もっと、やりなさい。
なるほど、確かにそれは間違ってはいないけれど、
じゃあ、何時間ふけばいいの?
時間がないのに、無理じゃないの?
同じように練習して、うまい人と下手な人がいるのはおかしいんじゃないの?
やっぱり才能?
確かに身体的に恵まれている人もいますが、そうでもない人でもうまい人もいます。
じゃあ、いったい何が違うのか?
「うまくいかないこと」に対して、「苦手」と思うか、「まだ取り組んでないこと」と思うかどうか?
「苦手」と思った人は、できない自分に落ち込むかもしれない。できていない自分をおもしろくなく思うかもしれない。
「まだ取り組んでないこと」と思う人は、取り組んでいないだけだから、ただ取り組む。自分に期待し、取り組めば上達することを信じています。
どちらが楽しく練習できるでしょうか?
楽しく練習した方が上達するに決まっています。
楽しくは、何も楽を追求したり、漫才のような講義を受けることではありません。
科学の実験や、クイズに頭を使うのは楽しい。
課題を解くために、情報を集め、考察して、類推し、実験する。
そのことが自体を楽しい、おもしろい。とどれだけ思えるか?が上達の条件だと思います。
と言う私も、眉をしかめて、がんばる努力型です。そのたび力が入っていないか?頭を使っているかどうか?振り返ってみたら、結構必死になっています。
でも、こういう視点を持つと、少し楽しめるようになっている自分を発見します。