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イギリスの戴冠式で演奏される曲

2022-11-03 09:04:00 | バロック
刈り入れも終わって、稲の切株が剥き出しです。

里山も寂しくなって来ました。

ゲオルク フリードリヒ ヘンデル(1685-1759年)神聖ローマ帝国ブランデンブルク選帝侯領ハレ生まれ、グレートブリテン王国イングランド ロンドン没

ハレの大聖堂のオルガニスト(1年契約)としてキャリアをスタートさせました。
ハレ大学ではテレマン


に出会い、終生つきあいがありました。

ハンブルクに出て、早やオペラを成功させました。3つのオペラを作曲しました。

1706年イタリアを旅行。
4年の間にフェレンツェ、ローマ、ヴェネツィア、ナポリを訪れました。

ナポリでオペラを書き、コレッリ


スカルラッティ


に会っています。

スカルラッティとはオルガンとチェンバロを競演し、オルガンの演奏では彼を圧倒し、チェンバロは評価がわかれました。

ヴェネツィアでもオペラを上演しています。

帰国し、25歳でハノーファー公の宮廷オルガニストになります。

翌年ロンドンを訪れ、オペラを大成功させて、一度ハノーファーに戻りますが、契約を無視して、翌年ロンドンに移住。

1714年アン女王が亡くなり、ハノーファー公がジョージ2世として王位に付きます。

契約違反を咎められることもなく、友好な関係を築きます。

ロンドンでオペラを上演するなど成功し、1723年王室礼拝堂つき作曲家に任じられます。
1727年イギリス国籍を取得し、ジョージ2世

の戴冠式に「戴冠式アンセム」を上演しました。
「戴冠式アンセム」とは、ロンドンのウェストミンスター教会

で行われた戴冠式のための曲で

1.『司祭ザドク』HWV 258
2.『汝の御手は強くあれ』HWV 259
3.『主よ、王はあなたの力に喜びたり』HWV 260
4.『わが心は麗しい言葉にあふれ』HWV 261

からなる式典用の曲です。
戴冠式の式次第により演奏されました。
今では全曲は演奏されませんが、以来歴代から現代に連なるイギリス王室で、戴冠式には必ずこの中の「司祭ザドク」が演奏されます。

司祭ザドクは旧約聖書に出てくる人物で、ソロモン王に香油を注いだと言われています。

歌詞は、

司祭ザドクと預言者ナタンはソロモン王を聖別せり。
諸人すべてこれを祝賀して曰く、
神よ王を護り給へ!王に長寿あれ!
王の末永からむことを、
アーメン、アレルヤ。

ヘンデルは、「マカベウスのユダ」の中の「見よ!勇者の帰還」が運動会の授与式に使われたり、「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」
「メサイア」から「ハレルヤ」など現代でも身近で知られている曲が多くあります。

この「司祭ザドク」は王室だけでなくロンドンオリンピックの開会式や、UAEAサッカーチャンピオンズリーグの入場曲にもなっています。



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2 コメント

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ヘンデル (takan32)
2022-11-03 20:15:00
久米さんへ、ヘンデルの曲は大曲が多いので、全曲が演奏される機会は少ないですね。
私が一番コンサートで聞く機会が多いのは、歌劇 "リナルド" の中の "涙の流れるままに(私を泣かせてください、とも言います。)" です。
森麻季様がこの曲がお好きなようで、リサイタルに行った時、何回か聞いたことがあります。
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Unknown (m-fluteangel16)
2022-11-04 00:02:41
@takan32 さん、そうなのです!ヘンデルは王様に可愛がられたので、大きな式典用の曲が多くて、気軽にとりあげられません。
しかし、一部は案外耳にしている曲も多いのです。「私を泣かせてください」も一部ですが、とても上演回数が多い曲ですね!
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