
刈り入れも終わって、稲の切株が剥き出しです。

里山も寂しくなって来ました。
ゲオルク フリードリヒ ヘンデル(1685-1759年)神聖ローマ帝国ブランデンブルク選帝侯領ハレ生まれ、グレートブリテン王国イングランド ロンドン没

ハレの大聖堂のオルガニスト(1年契約)としてキャリアをスタートさせました。
ハレ大学ではテレマン

に出会い、終生つきあいがありました。
ハンブルクに出て、早やオペラを成功させました。3つのオペラを作曲しました。
1706年イタリアを旅行。
4年の間にフェレンツェ、ローマ、ヴェネツィア、ナポリを訪れました。
ナポリでオペラを書き、コレッリ、

スカルラッティ

に会っています。
スカルラッティとはオルガンとチェンバロを競演し、オルガンの演奏では彼を圧倒し、チェンバロは評価がわかれました。
ヴェネツィアでもオペラを上演しています。
帰国し、25歳でハノーファー公の宮廷オルガニストになります。
翌年ロンドンを訪れ、オペラを大成功させて、一度ハノーファーに戻りますが、契約を無視して、翌年ロンドンに移住。
1714年アン女王が亡くなり、ハノーファー公がジョージ2世として王位に付きます。
契約違反を咎められることもなく、友好な関係を築きます。
ロンドンでオペラを上演するなど成功し、1723年王室礼拝堂つき作曲家に任じられます。
1727年イギリス国籍を取得し、ジョージ2世

の戴冠式に「戴冠式アンセム」を上演しました。
「戴冠式アンセム」とは、ロンドンのウェストミンスター教会

で行われた戴冠式のための曲で
1.『司祭ザドク』HWV 258
2.『汝の御手は強くあれ』HWV 259
3.『主よ、王はあなたの力に喜びたり』HWV 260
4.『わが心は麗しい言葉にあふれ』HWV 261
からなる式典用の曲です。
戴冠式の式次第により演奏されました。
今では全曲は演奏されませんが、以来歴代から現代に連なるイギリス王室で、戴冠式には必ずこの中の「司祭ザドク」が演奏されます。
司祭ザドクは旧約聖書に出てくる人物で、ソロモン王に香油を注いだと言われています。
歌詞は、
司祭ザドクと預言者ナタンはソロモン王を聖別せり。
諸人すべてこれを祝賀して曰く、
神よ王を護り給へ!王に長寿あれ!
王の末永からむことを、
アーメン、アレルヤ。
ヘンデルは、「マカベウスのユダ」の中の「見よ!勇者の帰還」が運動会の授与式に使われたり、「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」
「メサイア」から「ハレルヤ」など現代でも身近で知られている曲が多くあります。
この「司祭ザドク」は王室だけでなくロンドンオリンピックの開会式や、UAEAサッカーチャンピオンズリーグの入場曲にもなっています。
私が一番コンサートで聞く機会が多いのは、歌劇 "リナルド" の中の "涙の流れるままに(私を泣かせてください、とも言います。)" です。
森麻季様がこの曲がお好きなようで、リサイタルに行った時、何回か聞いたことがあります。
しかし、一部は案外耳にしている曲も多いのです。「私を泣かせてください」も一部ですが、とても上演回数が多い曲ですね!