おすすめ度 ☆☆☆☆
第二次世界大戦下で強制収容所に送られ生死の狭間を生き、70年代には女性のために中絶法を勝ち取ったフランスの伝説的な女性シモーヌ・ヴェイユを描いた作品。
2022年フランス国内映画年間興行成績NO.1! 10週連続トップ10入り、240万人動員のロングランヒット!
アウシュビッツを生き抜き、人権のためにフランス議会で闘い、女性初の欧州議会議長となった、最も強く、最も優しき、奇跡の人。
1974年パリ、カトリック人口が多数を占め更に男性議員ばかりのフランス国会で、シモーヌ・ヴェイユ(エルザ・ジルベルスタイン)はレイプによる悲劇や違法な中絶手術の危険性、若いシングルマザーの現状を提示して「喜んで中絶する女性はいません。中絶が悲劇だと確信するには、女性に聞けば十分です」と圧倒的反対意見をはねのけ、後に彼女の名前を冠してヴェイユ法と呼ばれる中絶法を勝ち取った。1979年には女性初の欧州議会議長に選出され、大半が男性である理事たちの猛反対の中で、「女性の権利委員会」の設置を実現。女性だけではなく、移民やエイズ患者、刑務所の囚人など弱き者たちの人権のために闘い、フランス人に最も敬愛された女性政治家。その信念を貫く不屈の意志は、かつてアウシュビッツ収容所に送られ、“死の行進”、両親と兄の死を経て、それでも生き抜いた壮絶な体験に培われたものだった-。
題材がよいだけに、崇高な作品となった。