おすすめ度 ☆☆☆★
失踪した夫を30年待つ妻の前に2年前に夫が失踪した女が訪れて交差する二人の人生を描く。年間失踪者8万人を数える日本の現実に立脚した物語。
舞台は佐渡島。主人公登美子の日常を綴ってゆく。ひもの工場で働き、実家の母を訪れ食料を冷蔵庫にしまい、海岸を散策し、夫のいない家でかつて夫を捜索した資料の積まれた机の前で、夫のカセットテープの声を聞く。
漁師の春男は彼女に思いを寄せているが、彼女がその気持ちに応えることはない。
そんな登美子の前に、2年前に失踪したという夫・洋司を捜す奈美が現れる。奈美は自分の中で折り合いをつけて前に進むため、洋司がいなくなった理由を求めていた。
登美子のように30年も待てないと奈美は言い、別の男との再出発を考える。この二人の対比により、彼女らの夫への愛情が汲み取れてしまう。
主人公・登美子を田中裕子、奈美を尾野真千子、春男をダンカン、洋司を安藤政信が演じる。