おすすめ度 ☆☆☆★
世界的人気を誇るシンガーソングライター・Siaが原案・脚本・製作・初監督を務めたポップ・ミュージック・ムービー。
祖母の死去で自閉症の妹の面倒を見ざるをえなくなった若い女性が、隣人の助けを借りながら共に生きていこうとする。
出てくる人たちはどの人も金持ちでも権力者でもない。弱い立場に置かれて日々を送り、なんとか生活している。それぞれが心に何かしらの傷を持つような人たちだ。
若い女性はアルコール依存症のリハビリプログラムを受けながら違法薬物の調達屋をなりわいにしている。その妹は自閉症だ。隣人の男性は小さなボクシングジムでコーチをするガーナ出身者で離婚歴がある。そのジムに来る太った男の子は優しい気持ちの持ち主なのに、養父に無理やり通わされている。
頭の中で鳴り響く音楽に身を任せながら歌とダンスに興じている幻想シーンはとてもアーティスティックでかつ彼女の内面をのぞき見している気にさせることも確か。世界の捉え方が健常者と異なるということを何とか映像化で見せようといろいろと工夫している感じ。