おすすめ度 ☆☆☆★
荻上直子が監督・脚本を手がけ、震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。
須藤依子は夫と息子、要介護の義父と暮らす平凡な主婦だ。庭には夫の趣味である家庭菜園と草花。東日本大震災のあと、TVでは放射能による影響を伝えるニュースばかり。そんなある日、突然夫が失踪する。
数年後。依子はスーパーのレジ係として働きながら“緑命会”という新興宗教の信者となり、ありがたい"緑命水"を飲み、祈りを捧げ、勉強会に参加しながら穏やかな日々を送っていた。そこへふいに夫が帰ってくる。その日から依子の日常は少しずつ軋み始める。
主人公・依子を筒井真理子、夫・修を光石研、息子・拓哉を磯村勇斗が演じた。
色んな原因によって発生する、幾つもの波紋が重なっていく。
家族が、自分にとって、意表を突く言動を続けて来るとしか受け留められなくなった時、家族は桎梏でしかなくなる。壊れる自分を支えてくれるものは家族にいないので、否応なく外に求めざるを得ない。
ラストのフラダンスは象徴か?