おすすめ度 ☆☆☆★
監督集団「5月」という関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦の3人の長編デビュー作
エキストラ俳優の宮松は、時代劇で弓に射られたり、大勢のヤクザの1人として路上で撃たれたり、ヒットマンの凶弾に倒れたりと、名もなき殺され役を演じてばかりいる。慎ましく静かな日々を送る宮松だったが、実は彼は過去の記憶をすべて失っていた。自分について何も思い出せないまま、毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続ける彼のもとに、ある日男が訪ねてきて……。
宮松は12年前に会社同僚と取っ組み合いの喧嘩となり、それが切っ掛けとなって記憶を失ってしまった男山下だった。
緊張感がずっと続く脚本、映像、主役を演じる香川照之の無言の饒舌。津田寛治のクールな怖さ。