おすすめ度 ☆☆☆
「裏アカ」とは、SNSの裏アカウントのこと。他聞をはばかることについては、二つ目のアカウントを作って利用するらしい。
この現代的な風潮を描いて、ツタヤのシナリオ・コンペティションの準グランプリを受賞した加藤卓哉の監督のデビュー作。
高級ブランドショップの店長の真知子（瀧内公美）は、社内の力関係の綱引きで、いささか疲労がたまっている。部下のさやかは、インスタのフォロワー数が多く、真知子は瞠目する。仕事の実力ははるかに下の後輩に、ＳＮＳでは後塵を拝する。真知子はツイッターにmarchという裏アカウントを作り、自身のエロティックな写真をアップする。さすがに反応は早く、多くのフォロワーを獲得する。しかしそれはエスカレートの誘惑でしかない。
その中の「ゆーと」というアカウントの男性にリアルで会いたいと誘いを受ける。言葉巧みにゆーとは真知子をリードし、身体を許してしまう。手のひらを返したようにゆーとは一回限りの関係、とあっさり逃げられる。
瀧内公美が大胆に脱いでいるのが一つの売り。
ファッション界の裏物語！
おすすめ度 ☆☆☆★
フランス・ベルギー合作
セドリック・クラピッシュ監督が、挫折した若き女性ダンサーの第二の人生を描いたヒューマンドラマ。
パリ・オペラ座バレエで、エトワールをめざすエリーズ。だが、夢の実現を目前にしながら、「ラ・バヤデール」のステージの最中に、恋人の裏切りを目撃し、ジャンプの着地に失敗して足首を痛めてしまう。医師から踊れなくなる可能性を告げられたエリーズは、一晩で恋も仕事も失って呆然とする。幼い頃から支えてくれた母を亡くしてからも、ひたすらバレエ一筋の日々を送ってきたが、完治しなければ新しい生き方を探すしかない。
エリーズは、サブリナやロイックとともにブリュターニュへと旅立つ。才能あふれるアーティストたちへ練習の場を提供する瀟洒なレジデンスで、料理係のアシスタントを務めることになるのだった。そこで、芸術を愛するオーナー・ジョジアーヌや、今を時めくホフェッシュ・シェクター率いるダンスカンパニーと出会い、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃する。やがて、怪我をした足を気にしながらも、誘われるまま練習に参加したエリーズは、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していく——。
主役エリーズを演じるMarion Barbeauはパリ・オペラ座の主席ダンサーとのことで、6歳からバレエをやっているが映画主演ははじめてだそう。だが女優が余技というわけではなく、ちゃんと魅力ある主人公をつとめている。
