おすすめ度 ☆☆☆
Unext鑑賞 2005年製作 フランス・イタリア・ベルギー・日本合作
ポーランドの名匠キェシロフスキ監督が亡くなるの直前、ダンテの「神曲」に想を得て構想を練っていた「天国」「地獄」「煉獄」という3部作。の「地獄」。
22年前に起きた不幸な出来事によって幼くして父親を失い、それがそれぞれのトラウマとなって、今なお生活に暗い影を落としている3姉妹。長女ソフィは現在36歳で、写真家の夫との間に2人の子どもがいたが、夫の浮気に苦悩を募らせる。次女セリーヌは32歳だが孤独な日々を送り、身体が不自由な母親の世話を引き受けていた。そして若くて魅力的な女子大生の三女アンヌは、妻子がいる年の離れた大学教授と不倫をしていて……。
意味深な冒頭シーンからはじまるがそこからおもむろになんの説明もなしに三人の女性それぞれの話が転がり出すのである程度事前情報がないと最初はどこへ向かっているのかわからず戸惑う。
個性的な女優3人が、浮気される妻、孤独な女、不倫に走る女というバラバラでありながら、元を辿れば「ある出来事」に集約される傷を負った三姉妹を演じている。そして、理屈では、または「偶然」という概念では説明できない「運命」というものを軸に、3人の物語がグルグルと回り始める。