おすすめ度 ☆☆☆★
コミック誌「FEEL YOUNG」で2017年から2023年まで連載されたヤマシタトモコの同名漫画(累計180万部突破≪心を救う≫)を映画化し、人見知りな女性小説家と人懐っこい姪の奇妙な共同生活を描いたヒューマンドラマ。
ある日、目の前で両親を交通事故で亡くしてしまった15 歳の朝(早瀬憩)。
突然のことに涙さえ流れず、呆然としたまま葬式に参列する朝に、親戚縁者たちの心ない言葉が突き刺さる。
そんな時だった。
「あなたを愛せるかどうかはわからない。でもわたしは、決してあなたを踏みにじらない」
朝からまっすぐに目をそらさずに、そう言い放った女性・槙生(新垣結衣)。朝の母親・実里(中村優
子)と折り合いが悪く、姉妹でありながら全く交流のなかった槙生は、誰も引き取ろうとしない朝と同居することを、その時決めたのだった。こうしてほぼ初対面のふたりの、共同生活がはじまった。
それなりに喧嘩はあるけれど、非常識な叔母と常識的な姪の生活は諄々と過ぎてゆく。姉(母)のことが二人の間に降りる時以外は。
この二人の間に刺さったトゲのような姉(母)のことは、一人の人間の多面性を物語っていて、とても興味深いテーマである。