おすすめ度 ☆☆☆★
光石研が12年ぶりに映画単独主演を務め、人生のターニングポイントを迎えた男が新たな一歩を踏み出すまでの日々をつづった人間ドラマ。
北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平(光石研)。ある日、元教え子の平賀南(吉本実憂)が働く定食屋で、周平はお会計を「忘れて」しまう。記憶が薄れていく症状に見舞われ、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? 妻の彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、一人娘の由真(工藤遥)は、父親よりスマホの方が楽しそうだ。旧友の石田啓司(松重豊)との時間も、ちっとも大切にしていない。新たな「これから」に踏み出すため、「これまで」の人間関係を見つめ直そうとする周平だが──。
作品は、周平が職場や介護施設や友人宅などの行動範囲を回って、ひたすら身近な誰かと会話する二人芝居なのだが、会話の中から周平のこれまでの人生が浮かび上がってくる。
定年という人生のターニングポイント、記憶障害という病をからませて、新たな出発店を見出していく。
光石の痴ほう症の父親を演じるのが光石の実の父親。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます