おすすめ度 ☆☆☆
R15+ 残酷
原題は『Veneciafrenia』、英題は『Venicephrenia』で、「ヴェネツィアの心の病」みたいな意味。※Phreniaは横隔膜の意。昔はこの辺(胸の下)に心があると思われていた。
スペインの鬼才アレックス・デ・ラ・イグレシアが、近年社会問題化している「オーバーツーリズム」を背景に連続殺人鬼が引き起こす惨劇を、イタリアのジャーロ(ジャッロ)映画へのオマージュを散りばめながら描いたホラー映画。
特にイタリア・ルネッサンス時代の医者の特異なマスクも紹介され、恐怖の時代の副産物に瞠目した。ベネツィア・カーニバルでは華麗なマスクや衣装で独特の美世界が見られる。それでもその意匠には不気味さも感じる。
結婚を間近に控えたスペイン人のイサと友人たちは、独身最後に羽目を外そうと、カーニバルで賑わうイタリア・ヴェネツィアを訪れる。しかし、到着した彼女たちを待ち受けていたのは「観光客は帰れ」というプラカードを掲げた大勢の人々。
近年ヴェネツィアでは、観光客の増加による環境悪化が社会問題になっていたのだ。それでも気を取り直して観光を楽しもうとするイサたちが乗り込んだボートに、突然カーニバルの衣装を着た奇妙な道化師が同乗してくる。
彼女たちはその不気味な雰囲気さえも楽しもうとするのだが、道化師は観光客を次々と殺害する狂気の殺人鬼だった。浮かれたイサの仲間たちは、殺人鬼の標的となり一人また一人と姿を消してゆく……。
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