おすすめ度 ☆☆☆★
2020年11月、東京・幡ヶ谷のバス停で寝泊まりしていたホームレスの女性が暴漢に殴り殺されるという事件は、深い衝撃を持って受け止められた。コロナ禍で加速する不安定な就労状況が続く中で起こった、この今という時代を象徴する痛ましい出来事をモチーフに、真っ向から挑んだのが「夜明けまでバス停で」である。
生真面目な人ほど生きにくい社会。平気で食べ物を捨てる人間が会社で生き残るという間違った世界を作品は糾弾する。不器用なために弾き出された人間はやはりあのバス停で人生を終えるのか…と思わせての大逆転。
居酒屋チェーンで働く三知子（板谷由夏）はコロナ禍で、緊急事態宣言を受け、店が休業を余儀なくされ、突然、解雇される。採用されるはずだった、介護施設もコロナで閉鎖に。夫の借金が三知子の名義だったので払わざるを得ず無一文に。果ては、バス停で寝泊まりする浮浪者に。
コロナを題材にしたユニーク。
後半では、路地で寝泊まりする浮浪者を登場させ社会批判も。
ドラマとして、観客を引き付けながら、社会風刺する骨太の作品。
おすすめ度 ☆☆☆
NHK BS プレミアム鑑賞 1995年製作
地球温暖化により全ての陸地が水没した未来の世界を舞台に、海賊たちと戦う一匹狼の戦士の活躍を描いたＳＦアクション。
総製作費に史上最高の1億7千万ドルを費やした超大作。
周りが止めるのも聞かず、膨大な製作費を投じ、さらにはケビン・コスナーも私財を費やし作り上げた、一応は大作の位置付けにある本作。しかし公開されてみれば結果は惨たんたるものだったそうだ。
『マッドマックス』の海上版だが、フィクションのわりに、話が細かい。
少女の背中の地図が争いの的だが、話が堂々巡り。
アクションシーンは、大がかりで、それなりに迫力はある。
海上の乗り物は、大がかりで、次々と展開、ケビンコスナーのラブアフェアもあって、見よい。
おすすめ度 ☆☆☆☆ 劇場鑑賞
こればかりは、劇場鑑賞でないと
１６４分の超丁場。
トム・クルーズの代名詞で、世界的人気を誇るスパイアクション「ミッション：インポッシブル」シリーズの第7作。シリーズ初の2部作となり、イーサン・ハントの過去から現在までの旅路の果てに待ち受ける運命を描く。
２部作の一部だが、圧倒的なシーンの連続で、堪能する。
ただ、アクションシーンが先にあってあとから物語を作ったと言うだけあって、話部分はやや退屈。
ロシアの原潜が厳重に管理されたAIを利用した試験航行で幻影を見せられ自ら発した魚雷で撃沈。そしてイーサンの元へ新たなミッションが。その撃沈の際に消失した鍵を手に入れること。その鍵の用途は不明だが人類の脅威になることが予想された。いつものメンバーで武器商人のホワイト・ウィドウとかAI側のボスのガブリエルとかと対峙する。さらにイーサンから鍵をスッたグレースが加わり、AIの予測を超える突飛な作戦というか行き当たりばったりの作戦で鍵の目的を探っていくのだった。
「アドベンチャー」と「ロマンス」という要素も加わり娯楽味満点。
アブダビ、ローマ、ヴェネツィア、ノルウェーなど世界を旅しているような壮大さがある。
イタリアでのカーチェイス、ノールウェイでの列車アクション。
他の映画でも見慣れたシーンだが、より強烈なアクションシーンに満足。
トム・クルーズも６１歳。年を忘れさせる活躍だ。
おすすめ度 ☆☆★
リーアム・ニーソン 好き ☆☆☆
リーアム・ニーソンが主演を務め、FBIの影の任務をこなしてきたフィクサーの男が陰謀に巻き込まれ、FBIと死闘を繰り広げる様を描いたアクションサスペンス。
FBI⻑官ガブリエルから直々に雇われているトラヴィス・ブロックは、通称「フィクサー」と呼ばれ、極秘任務で潜入捜査している秘密捜査官に危機が迫った際、その救出を担うという影の任務を担っていた。ある日、救出した潜入捜査官のダスティから、FBIが一般人の殺しに関与しているという話を聞かされる。にわかに信じられないトラヴィスだったが、その件を記者のミラ・ジョーンズにリークしようとしたダスティが何者かに殺されてしまう。ミラと調査を進める中、国家を揺るがす極秘プログラムの存在を知ったトラヴィスはガブリエルに直接問いただそうとするが、その矢先、トラヴィスの娘と孫娘が誘拐されてしまう。
リーアムの活躍は素晴らしいが、B級感むんむん。
おすすめ度 ☆☆☆★
恋愛映画好き ☆☆☆☆
Unext 鑑賞 2011年製作
アン・ハサウェイ、ジム・スタージェスの共演で、ロンドンとパリを舞台に23年間に及ぶ男女の愛の軌跡を描いたラブストーリー。
２３年変化していくアンハサウェイが素敵。
23年という長い月日のたった1年に1日、7/15日にスポットを当てているのだが、その1日を経ていくだけで、2人の23年に何があったのか、どんな風に2人の関係が変化していくのか手に取るようにわかったり、そこから推察したりできるのがとても面白い。
腐れ縁とくくってしまえるような関係でもない、絶妙な関係がもどかしくも心地よかったり切なかったりする。
とにかくアン・ハサウェイとジムスタージェスが美男美女で、それだけでも見ていて目の保養。
あれだけ引っ張ってようやく結ばれてからの唐突すぎる展開にはびっくりしたが、普通の映画だったらあそこにいる娘が2人の娘だったりみたいなオチにもっていきそうなところを、ご都合主義すぎない現実的なラスト。
恋愛映画のベスト。
おすすめ度 ☆☆☆★
失踪した夫を30年待つ妻の前に2年前に夫が失踪した女が訪れて交差する二人の人生を描く。年間失踪者8万人を数える日本の現実に立脚した物語。
舞台は佐渡島。主人公登美子の日常を綴ってゆく。ひもの工場で働き、実家の母を訪れ食料を冷蔵庫にしまい、海岸を散策し、夫のいない家でかつて夫を捜索した資料の積まれた机の前で、夫のカセットテープの声を聞く。
漁師の春男は彼女に思いを寄せているが、彼女がその気持ちに応えることはない。
そんな登美子の前に、2年前に失踪したという夫・洋司を捜す奈美が現れる。奈美は自分の中で折り合いをつけて前に進むため、洋司がいなくなった理由を求めていた。
登美子のように３０年も待てないと奈美は言い、別の男との再出発を考える。この二人の対比により、彼女らの夫への愛情が汲み取れてしまう。
主人公・登美子を田中裕子、奈美を尾野真千子、春男をダンカン、洋司を安藤政信が演じる。
おすすめ度 ☆☆☆★
Unext 鑑賞 1978年製作
RはついていないがRものだ。
ワイコフ先生は、黒人とファックした。
この作品当時は、黒人差別はひどかった。
ワイコフ先生は、まじめで、評判も良く、模範教師だった。
だが、体調不良が、幼い頃、目にした両親の不和が、彼女のセックスへの恐怖につながったのではないか、という精神科医の見解。
35歳にして彼女はまだ処女であり、この不安定な精神は、更年期障害からきていると……。
そんなある日、フットボールの花形選手で、アルバイトで高校に来ている黒人の短大生にレイプされる。
だが、二度目からはワイコフ先生も自分の意志で。
そして、全裸ファック中にアイロンを胸にあてられ、悲鳴を。
それを聞きつけた黒人学生に行為がばれ、全校にうわさが広がった。
結局、学校と下宿を追われることになったワイコフ先生。
レイプされたとは、言わなかった。
「公開当時、全世界を震撼させた背徳の問題作！」だそうだ。
ワイコフ先生を演じたアンヘイウッド、35歳の設定だけど 実際は47歳ぐらいだったとか、おっぱい丸出しで頑張ってます。
おすすめ度 ☆☆☆★
佐藤正午の最高傑作と名高い純愛小説を、実写映画化。
現代を生きる、愛する妻子を亡くした男性・小山内と、27年前にある女性と許されざる恋をした男性・三角。無関係だった彼らの人生が、“瑠璃”という名の女性の存在で交錯する。これは、「愛する人にもう一度めぐり逢いたい」という想いが起こした“奇跡”が紡ぐ、数奇で壮大なラブストーリー。
「あなたをずっと待ち続けます」と何年にもわたり恋人を待ち続ける設定が、普通ならウソにしか見えないところだが、輪廻転生という大きな虚構があるので、気にせず見せてくれる。
大泉洋主演、有村架純、目黒蓮（Snow Man）、柴咲コウの共演、廣木隆一監督作品。
生まれ変わりの話に乗れるか？
おすすめ度 ☆☆☆
劇場未公開
１９４４年、連合軍はベルギーとドイツの国境に迫り、ヒュルトゲンの森でナチスと死闘を繰り広げていた。敵の頑強な抵抗で、苦戦を強いられるアメリカ軍。戦況を打開するには、戦場を見渡せる拠点、『４００高地』を制圧するしかない。ウィーバー中将は、ノルマンディで華々しい活躍をした第２レンジャー大隊に高地占領を命じる。だがそこは、精鋭で知られる彼らをもってしても、攻略が極めて困難な《地獄の要塞》だった…。
レンジャー部隊の地味な戦い。
銃の撃ち合いがほとんどで、たまに爆薬が。
アクション多めの昨今の戦争映画とは一線を画する地味な戦い。
ただ、隊長と看護士（婦）とのひそかなやり取りが胸を撃つ。
援軍が来ない守りの戦は、みじめなものがだ、ラストはハッピーエンドでよかった。
おすすめ度 ☆☆☆
草原映画好き ☆☆☆★
中国の俊英ワン・ルイ監督が、内モンゴルの草原に暮らす一組の夫婦の不器用でまっすぐな姿を、現地出身の俳優やスタッフとともに描いた人間ドラマ。
内モンゴルも、発展する中国に飲み込まれようとしている。
夫は、町へ出ては、遊び歩いている。都会で生活したがっている。
妻は、今の生活に満足している。
草原の生活は壮大で、心地よい。
だが、都会生活を覚えたら草原に帰りたくない。
ふたりのすれ違いはどうなるか。
雪の日に、妻が流産するという悲劇が。
中国という社会で、この草原はどうなるのだろうか？
