おすすめ度 ☆☆☆★
Unext 鑑賞 2016年製作
フィンランド・ドイツ・スウェーデン合作 PG12
2016年・第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で作品賞を受賞したフィンランド発の恋愛映画。
ボクシングを題材としている割には随分とあっさりとした印象の映画である。自国フィンランドで初めて行われる世界タイトルマッチに挑む実在のボクサー、オリ・マキを描いたボクシング映画なのだけど、「ロッキー」のような血湧き肉躍るようなドラマを期待すると裏切られる。
ここではボクシング以上にラブストーリーに重きが置かれている。いや「ロッキー」でもラブストーリーは重要な柱になっていたけど、あちらは歓喜のフィナーレを迎える恋、一方こちらは敗者の恋といったらよいか。
’16の製作にかかわらず白黒作品、より時代風景を大事にして16ミリフィルムで撮影している。
オリは逃げまくる。減量から逃げ、練習から逃げ、スポンサーからもメディアからもマネージャーからも逃げる。そんな彼にとってのたったひとつの救いが、試合の2週間前に恋に落ちたライヤだった。
そもそも、フィンランドで世界タイトルマッチが行われるのが異常なのだ。