季節の花と言葉の花束

写真付きで季節の花や言葉の意味をを書くならgooブログ

季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「葛(くず)」

2018-08-24 05:02:56 | 暮らし
名言名句(362)

「悪木」(あくぼく)の陰に憩(いこ)わず」『晋 書』

『晋書』は、唐の宰相房玄齢(578-648)、歴史家の李延寿らが、

皇帝太宗(在位626-649)の命で撰した晋代の正史で、その中の

言葉。朽ちかけた木だとか、木の上に何が潜んでいるか分からな

いような樹木の下では、いくら暑いからといって涼んだりするも

のではない、ということです。どのような苦境に立たされても、

手近なところに居るからと言って、根性の悪い人間に助けて貰

うものではない、ということでもあるのです。「寄らば大樹の

陰」という言葉があります。大樹は立派な樹木であるとともに、

権威を象徴するものとしてたとえられることもありますが、大

樹は、どこか近寄りがたいものです。悪木なら、気楽に身を寄

せることが出来る、ということで、深く考えることもしないで、

ついつい悪木の陰に憩うことになりやすい物です。大樹よりも

悪木の方が親しみやすい一面があるのは、人間の本性に、悪に

魅入られる要素があるからでしょう。

===================================

8月から咲く花「葛(くず)」

開花時期は、 8/15 ~ 9/末頃。
・秋の七草の一つ。
・まわりの木々を
 つるでおおってしまう程の生命力。
 ひと夏で10mぐらい生長する。
・花は下の方から咲いていく。

・大和の国(奈良県)の
 国栖(くず)というところが
 葛粉の産地であったところ
 からの命名。
 漢字の「葛」は漢名から。

・つるの繊維部分は
 「葛布(くずふ)」の原料。
   (静岡県掛川市特産)

・根には
 多量のでんぷんを含んでいて、
 「葛根(かっこん、
     解熱の漢方薬)」
 になる。
 葛粉(くずこ)もとれる。
    → 葛餅(くずもち)


・別名
 「裏見草(うらみぐさ)」。

  葉が風にひるがえると
  裏の白さが
  目立つことから。
  平安時代には「裏見」を
  「恨み」に掛けた和歌も
  多く詠まれた。  


・「ま葛原
  なびく秋風 吹くごとに
  阿太(あた)の大野の
  萩が花散る」   
   万葉集 作者不詳 

 「梨棗(なつめ)
  黍(きび)に
  粟(あは)つぎ
  延(は)ふ葛の
  後も逢はむと 葵花咲く」
   万葉集 作者不詳 

 「葛の風
  吹き返したる 裏葉かな」
   高浜虚子

(季節の花300より)



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする