町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

通勤ラッシュ対策の切り札ワイドドア車・東京メトロ東西線15000系

2022年12月03日 | 首都圏の地下鉄

都内屈指の混雑路線である東京メトロ東西線では朝の通勤時間帯の列車の遅延が問題になっており、輸送改善が課題になっていました。従来の051418編成で混雑対策の為に扉の幅を1.8メートルとしたワイドドア車を導入していましたが再度ワイドドア車の増備を行うことになり、当初は0514次車として計画されていましたが有楽町線・副都心線向け10000系で採用された設計を取り入れ新たに15000系として登場しました。2009年末から導入され営業運転は2010517日から開始していますが、05系ワイドドア車は19911992年の増備だった為、18年振りのワイドドア車となりました。

車体は0513次車同様、アルミ合金製ですが車体強度の向上や廃車時のリサイクルを考慮した単一合金化など更なる改善が加えられています。側面の窓・扉の配置は05系ワイドドア車に類似していますが、先頭車の乗務員室直後のドアも含めて1.8メートル(05系ではこの部分のみ1.3メートル)としており、先頭車の全長が52センチ長くなりました。本形式のフルカラーLEDによる行先表示は東京メトロ初採用となっています。

2017年までに10両編成13本の130両が製造され、代替で05系の内初期に製造され高周波分巻チョッパ制御を採用していた14次車が置き換えになり、01030613編成4本は3両編成化(余剰中間車は廃車)の上で千代田線の北綾瀬支線に転用、その他の編成はインドネシアへ譲渡されるなど大きな動きが発生しています。

車内設備も0513次車がベースですが、配色が大幅に変更されライトグレーの化粧板に妻面壁を木目調、座席は濃いブルーのモケットになりました。近年の車両では珍しく戸袋窓が復活しており採光性も向上しています。

車内案内表示装置は10000系で実績のある液晶画面ですが、画面サイズを17インチに拡大したものが全ドア上に設置されました。中野方先頭車(CT215000)に送受信装置が搭載されており、拠点駅では高速無線通信を使用し広告映像の自動更新を行っています。

ホームドアの普及で扉が適合しなくなったり想定した以上の混雑緩和が見込めないなどの理由から姿を消して行くワイドドアの車両ですが、東西線では最混雑時間帯の運用で本来の役割を発揮しており、ホームドアもそれに対応するものが設置されています。現在は新型コロナウイルスの影響で旅客が減少傾向ですが、通勤通学輸送では依然として需要の高い首都圏ならではの車両として今後も長く活躍しそうですね。

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地下鉄から快速用に転身、209系1000番台中央線

2022年12月01日 | JR東日本

1999年、常磐緩行線は信号システム更新に伴う列車増発で2091000番台を新製導入し同年124日のダイヤ改正より従来の203系・207900番台と共に代々木上原〜取手間で運用を開始しました。その後2009年〜2011年の間にE2332000番台が新造され203系・207900番台の置き換えを完了させるも、置き換え対象外の2091000番台は継続して運用されましたが、2018年で車種統一の為に定期運用を終了する事となり、同年1013日に「ありがとう209系常磐線各駅停車引退の旅」を実施し常磐緩行線〜千代田線での19年に渡る運用を終了、グリーン車組み込みが予定されている中央線快速の予備車確保の目的で豊田車両センターに転属することになりました。

平日日中の運用に就く81編成。松戸から豊田への転属は2018112(実際の出場と回送は115)で、帯色変更と地下鉄対応機器の撤去などが実施されています。なお客用扉の半自動化などは実施されていない他、自動放送の設置も見送られました。

81編成とは少々期間が空いた2019125日に出場(転属は124)した82編成。短期間の運用を想定したので、制御装置の更新も施工されず、首都圏では珍しくGTOサイリスタによるVVVFインバーター制御を維持する珍しい存在になりました。運用は固定されており、常に97T99Tに入ります。

車内設備に変化は無く、常磐緩行線時代からそのまま使用されています。営団地下鉄のトンネル規格に対応する為、狭幅車体であるため主力形式のE233系と比べると収容力が違い中央線の最混雑時間帯には難がありますね・・・。

ドア上のLED表示も中央線・青梅線の表示に対応させた以外は目立つ改修はされませんでした。表示器下の広告枠には紙の路線図が入っていますが、これは209系の為だけに製作されたものです。

転属の目的が予備車の確保である為、ある程度E233系へのグリーン車連結が完了すれば廃車になると思われますが、今や都心部にも乗り入れる数少ないGTO-VVVF車であることから、今しばらくは活躍して貰いたいものです。

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