Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【訪問着の別誂え(フルオーダー)第3弾】《金彩・刺繍完了編》

2013-09-13 18:50:41 | 着物
春先から別誂えをお願いしていた若草色の訪問着ですが、とうとう金彩や刺繍の
作業も完了したということで、公庄工房様よりお写真が届きました


(写真では地味に見えますが、実際の地色はもう少し濃いめの綺麗な若草色です)

こちらが右袖の後ろ側の部分。前回友禅編でご紹介した時の画像と比べて頂くと
よくわかるのですが、ヱ霞の部分には全体的に金箔が入って、それぞれの柄にも
金糸目が施されたことで、全体が立体的に華やかになりました


こちらは裾模様の全景です。長く着られるようにと全体の色使いは種類を抑えて
いますが、ピンクの濃淡や利休系の濃淡と落ち着いた赤系のバランスが絶妙で、
決して地味ではありません


上前は琵琶の部分に全体的に金駒刺繍を施してあり、周りから浮き上がるような
感じがあります。古楽器自体はほとんどが茶色なのですが、周りの花々や金彩が
華やかなので、その対比が美しいです


松は利休系、梅はピンクの濃淡で比較的はっきりとした色使いですが、桜は白が
ベースで中心の部分だけをほんのりと色づけしてくださっているのが、とっても
上品で気に入っています

鈴も本来ならば全て金箔加工なのでしょうが、他の金彩を生かすように、あえて
白をベースに控えめな金彩にとどめているところがさすがですね


今回は裾の後ろ側にあたる部分に描かれた琴にも、たっぷりと金駒刺繍を入れて
くださいました。琵琶と琴は古楽器の中で中心的な大きい楽器なだけに、前後に
配してそれぞれを刺繍で浮き上がらせることで、全体を引き締めています

松の利休、梅のピンク、紅葉の橙、桜のとっても淡い色使い、そしてポイントで
使われている落ち着いた赤など、全ての色味のバランスが完璧で、若草色という
優しい地色を引き立ててくれているのが良くわかります

今回も、柄の配色に関しては公庄工房様に全てお任せをしましたが、お任せして
大正解でした。やはりプロのセンスはさすがですね

これでようやく仕立てに入ってくださるということなので、9月下旬までに手元に
着物が届きそうです。早く実物が見たくて、楽しみでたまりません

仕立てあがったらまた衣桁にかけた画像をお送りくださると思いますが、手元に
届いて写真を撮ったら、今までのおまとめ記事を書こうと思っています