株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

黄金分割比率の再計算値

2008-08-02 17:48:54 | 株に出会う
相変わらずのNYダウの低迷です。短期でのフィボナッチ計算では、5月2日の13132ドルから7月15日の10828ドルまでの下落に対しては、現在値11326ドルが

 38.2%戻し→11708ドル
 50%戻し  →11980ドル
 61.8%戻し→12252ドル となります。

では、昨年10月11日に付けた14198ドルという史上最高値から、今年7月15日に付けた10828ドルという最低値に対してはどうでしょうか。

 38.2%戻し→12115ドル
 50%戻し  →12513ドル
 61.8%戻し→12910ドル となります。

ついでに、日経平均も見ておきましょう。6月6日の14601円から7月18日の12762円までの日足レベルの下落に対しては、現在値13095円が

 38.2%戻し→13464円
 50%戻し  →13582円
 61.8%戻し→13899円 となります。

週足のトレンドでは、下記のようになり、反転は遠のきます。

 38.2%戻し→14216円 ←頑強な要塞
 50%戻し  →14996円
 61.8%戻し→15775円 となります。
 
そこで、長期(月足)での押し目水準を確認しておきます。7604円(2003年4月30日)をボトム18300円(2007年2月28日)をトップとしての押し目を見ると、

 38.2%押し→14214円 ←頑強な要塞
 50%押し  →12952円 ←これが破られるとやばい
 61.8%押し→11690円(3月17日の今年最安値とピタリと一致) 

となります。

 
NYダウでは12000ドル台回復、日経平均では13500円の奪還が最初の節目となるようです。青字部の14200円レベルがチョイと気になりますね。この数字は何と日経平均の35年移動平均値でもあります。(14237円)いわば、頑強な要塞のようなものです。今年後半にもしこのレベルを超えれば、日経平均の復活がなされたということになりそうですが、果たしてどうなりますやら。 

ところで、マザーズ指数やヘラクレス指数は、完全なる右肩下がりですので、それに黄金分割比率を適用して計算させること自体、この黄金分割比率の考案者、イタリアの数学者のフィボナッチさんに失礼なことになりますので、止めようかと思いましたが、念のため、マザーズ指数の日足ベースの短期での計算をしてみました。今年5月26日に付けた673ポイントの高値から7月22日に付けた478ポイントまでの下落に対しては、現在値496ポイントが

 38.2%戻し→552ポイント
 50%戻し  →576ポイント
 61.8%戻し→599ポイント となります。

最初の節目まで後15%の上昇が必要です。(日経平均はたったの2.8%の上昇で届きます)

日暮れて道遠し。
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人類が生き延びるための次なる打ち出の小槌は?

2008-08-02 08:06:09 | 折々の随想
GDPの7割を占めるアメリカの個人消費ですが、これまでは住宅が牽引してきました。住宅価格が上昇している時は、値上がり分を担保にお金を借りることができ、これが消費を押し上げておりました。

10%の住宅価格の上昇で、個人消費を0.6%押し上げる効果があると言われております。

ところが、その住宅価格が上昇どころか下落に転じて、この後落ち着いたとしても、もう日本を見るまでもなくバブルの再燃というのはしばらくはなさそうです。

2000年のITバブルも弾け、住宅バブルも弾け、やむを得ず今は原油や穀物などの「現物」にお金の矛先は向かってはおりますが、これはインフレやスタグフレーションの副作用も伴うやっかいな投資先です。また、食糧難やエネルギー危機で、人類の幸福とは逆行する結果も引き起こしており、長く続けるのはさすがに難しいのではないでしょうか。

次なる成長の糧を何処に求めるかが大きな課題ですが、環境問題の解決に直結する、地球温暖化防止の様々な技術開発は進めるとしても、これはあくまでも省エネ関連商品の提供という「供給サイド」に立った課題です。住宅のような大きな「需要サイド」に立った打ち出の小槌は果たしてあるのでしょうか?

人類にとってのこれからの需要とは何かを根本的な視点から考える必要がありそうです。

2000年のITバブル崩壊は、インターネットを使っての面白い実験は数々生まれはしましたが、それらは人類全般が真に求める需要までは掘り起こせなかった、掘り起こすための技術基盤の成熟度が甘かったということに起因しての挫折ではなかったかと思います。

その後グーグルを始めとしたウェブ2.0と呼ばれる潮流は静かに出てきておりますが、まだまだその技術基盤は初期段階だと思います。何よりも、誰もが「考える前に検索し、安易に知識を得る」程度の使われ方では、その発展にも自ずと限界があるレベルと言えます。

従って、インターネット技術は将来の可能性は十分にあるものの、今のレベルでは高度なおもちゃの域をまだまだ脱し切れていないようです。人間に「考えさせるトリガー」を与え、その思考が他人の上質な思考の媒介によって更に洗練され、継続してその上のレベルまで考えさせることをサポートする、そういったツールにインターネット技術は進化を遂げないといけないと思っております。

任天堂が難しい局面にあるのは、DSの「脳トレ」にしても、単なるお遊び程度にとどまっている、その限界にあります。ゲームを越えた新しい課題に立ち向かっているようですが、如何せん、花札屋さんの底が見えております。

では今の段階で、人類共通の需要という視点から何があるのでしょうか?

先日「リスク社会の真のリスク」というタイトルで少し書きましたが、「安全」というのが1つテーマとしては考えられるようです。社会で生きていくための安全ですから、まず自分の身体の安全としての「健康」、「医療」、「食(水も含む)」、「防犯」などの需要があります。この中では、再生医療を中心とした医療分野が最も需要が高いものと思います。

これらは、個人の視点から「安全」についての需要を抜き出したものですが、これを社会全体の視点から眺めてみるとどうでしょうか。

社会の安全の中でもっとも大事なことを考える上では、まず人類全体の厄災としての戦争を引き起こす原因の除去をスタートにして考える必要がありそうです。

これは、思いつくままに、「貧困」、「資源」、「思想宗教」、「差別(格差)」などがありそうです。前の2つは結果として生じている物理的な現象としての問題。後の2つはそれを引き起こす人間の精神からくる問題と分類できそうですね。

この稿では、とりあえず「貧困」と「資源」の問題が、人類社会の「安全」に大きく拘わっていると想定します。

では、これら2つの問題を解決するという社会の「需要」をどうやって創り上げ、解決に導けば良いのでしょうか?

ここでの重要なキーワードは、月並みですが、「生産性の劇的な向上」ということにあるのではないでしょうか。食糧生産の生産性しかり、モノの生産の生産性しかり、医療などサービス提供の生産性しかり。

限られた資源を多くの人間が欲望のままに我先にと奪い合う、その中から、10億人の極貧層が生まれ、稀少資源を巡っての争いがそれに輪をかけ、一部で戦争に発展しているのが実態かと思います。

ITやネットワーク技術も第一義的には、この生産性の劇的な向上に向けられるべきと考えます。レセプトを未だに紙に書いているなど論外です。人々を健康に導くことで医療費を効果的に抑制するには、紙に変えて電子化による疾病データ分析が不可欠ですが、未だに出来ていないことに政府の怠慢を深く感じます。

当然、生産性の向上だけではどうしようもない問題も横たわっております。例えばレアメタルという希少資源。こちらは、基礎技術開発による「発明」を待つ以外にはありません。その発明により、高価な希少資源を使わなくなれば、希少資源を巡っての争いもなくなります。

こうした分野への「発明」を導く基礎技術開発が、生産性の劇的な向上をもたらすもう1つの要件になりそうです。

例の山中教授のiPS細胞の「発明」も、医療行為の生産性を劇的に上げると共に、人々の「身体の修復・安心への需要」に強く応える素晴らしいものですが、こうした「発明」を強烈に促進する必要があります。

いずれにしても、特にこれまでのアメリカの経済優位性を支えてきた、「金融技術」+「住宅供給促進」のような「魔法の打ち出の小槌」は見あたりません。

ここは、少々世界の成長を減速あるいは停滞させ、人類が次なる打ち出の小槌を見いだすスピードに合わせる必要があるのではないかと思います。
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